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2021年3月

2021年3月20日 (土)

京都市の幸福度は?

2011年11月17日は、ブータンのジグミ・シンゲ・ワンチュク国王が国会において演説した日である。ブータン国王の来日を機に、わが日本国民もブータンという国を改めて知ることとなった。特に「世界一幸せな国」と称されるブータンって、どんな国なのか?ということに注目が集まった。本来「幸せ」という感覚は一人一人異なる感覚であるもので、一定数値で推し量ることは困難なものとされてきた。事実、「幸せ」という言葉は、広辞苑には掲載されてないらしい。

そうした中で、ブータンの幸福度の指標分析は、国民総生産GDPという指標ではなく、国民総幸福量GNHの指標で国造りをしようとする。幸せの基準を国家ではなく、個人や家庭に照準をあわせ4つの柱と9つの指標で幸福度の度合いを推し量るものだ。4つの柱とは、①持続可能な社会経済開発、②環境保護、③伝統文化の振興、④優れた統治力。9つの指標とは、①心理的幸福、②時間の使い方とバランス、③文化の多様性、④地域の活力、⑤環境の多様性、⑥良い政治、⑦健康、⑧教育、⑨生活水準である。2015年に国連で示された持続可能な開発目標SDGsの取組身に全世界が行動している今、ブータンの幸福度に学ぶべきことは多い。

コロナ禍により地方自治体の財政状況は極めて厳しい状況である中、どの自治体も持続可能な都市構築に向けての改革が至上命題となっている中、今一度「幸福度」ということが求められている。我が国においてもこの幸福度に関する研究も進んできており様々なエビデンスが提起されている。

日本総合研究所幸福度政令指定都市比較は、幸福度を基本指標と5つの政策分野及び10の指標により検証している。2020年の比較データでは、20都市中、さいたま市1位、浜松市2位、川崎市3位、名古屋市4位、岡山市5位がベスト5。大阪市20位、堺市19位、北九州市18位、相模原市17位、札幌市16位とワースト5。京都市は総合評価で8位となっている。

その京都市の各政策分野の検証を見ると非常に興味深い結果が出ている。すなわち、基本指標は❶人口増加率、❷一人当たりの市民所得、❸選挙投票率(国政選挙)、❹財政健全度、❺合計特殊出生率、❻自殺死亡者数、❼勤労者世帯可処分所得の7指標で分析。京都は、人口増加率は14位、一人あたり市民所得は7位、選挙投票率は18位、財政健全度19位、合計特殊出生率16位、自殺死亡者数9位、勤労者世帯可処分所得19位で、実に基本指標は19位とワーストレベルである。

一方で健康・文化・仕事・生活・教育の5つの政策分野で詳しくみれば、文化・教育はそれぞれ1位、健康・仕事はそれぞれ15位、生活が18位と格差がある。特に健康分野では、運動体力指標が18位、体育・スポーツ施設数19位、要介護等認定率17位、生活習慣病による死亡者数17位など改善が求められる政策分野である。また、仕事分野でも正規雇用者比率20位、事業所新設率20位、小売業販売額19位も注目される政策分野である。

このように幸福度と一言にいってもエビデンスに裏打ちされたデータ分析は今後の戦略の参考になるに違いない。また市民から見ても、自分の住んでいる都市がどういう特徴を持っているのか、自己診断しなければならない。

代表質問(令和3年2月)

<代表質問の項目>
①切れ目のない新型コロナ対策とワクチン接種の円滑実施について
②来年度予算案と今後財政運営の課題について
③SDGs未来都市構想について

質問(全文)…situmoR0302.pdfをダウンロード

2021年3月18日 (木)

中小企業等再起支援補助金の創設(補正予算)

コロナ禍で一層厳しさを増す中小企業や個人事業者への支援のため、京都市中小企業等再起支援補助金制度を創設し京都市は3月11日に緊急的にその費用に関わる補正予算が上程され、12日の委員会での審議の上、18日の本会議で可決成立しました。

今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言等により影響を受けている市内の中小企業等を支援し、京都経済の回復を後押しするため、国の臨時交付金を活用して新たな支援制度を創設するもので、金額は15億円が計上されています。特にコロナ禍の影響は、緊急事態宣言下において営業時間短縮に伴う協力金の対象とならない中小企業にも広がってきており、これに即応する支援策です。また、給付金ではなく補助金とされているのは、新たに購入物品を地元府内調達(3分の2以上)をすることで、地域経済を循環させ景気を押し上げる効果も期待するものです。具体的な制度の内容は、

◉補助:4分の3、上限額は法人は15万円、個人事業者10万円

◉対象事業者:中小企業事業者をはじめ多種多様な個人事業者で、売り上げが50%減となっている事業者(時短要請に対応され給付金を受給している事業者は除く)

◉受付開始:4月の初めから3ヶ月間

◉申請方法等:コールセンターを設置し丁寧に対応。web申請等で対応。

今回の精度は、幅広く支援する観点から、中小企業事業者は当然として、「等」として文化芸術の個人事業者や伝統技術などの事業者なども対象としています。予算15億円の積算根拠は、これまで京都市内の中小事業者48000事業所のうち、時短要請に対応している事業者14000事業所は対象外とした上で、残りの34000事業所の内、売上実績が50%以上の減となっている事業所は3分の1程度と見て11000事業所数分を見込んでいます。また相談窓口コールセンター等の事務費1億5000万円を含めた額15億円の予算となっています。対象期間は、3月1日以降を対象とし、給付金ではなく補助金とされているのは、名称に示されたように、応援することで再起されその後持続的に営業繁栄につながるようにするためです。

コールセンターも18回線としてこれまでの倍の対応しています。

制度創設に関して、京都市会では以下の付帯決議を全会一致で付しました。

議第209号に対する付帯決議

本市においては、3月1日に緊急事態宣言が解除されたとはいえ、経済状況についての今後の見通しは依然として厳しく、議会として、議第181号及び議第201号に対する付帯決議において、本市独自の事業者支援制度を速やかに構築することを求めたところであり、今回「京都市中小企業等再起支援補助金」が創設されたことは評価する。本補助金の制度運用に当たっては、京都の企業・事業者等をしっかりと支えるというメッセージが伝わるように、以下の点を強く求める。

(1)対象となる事業者及び取組等を可能な限り幅広く捉え、多くの皆様に活用いただけるものとして、迅速な審査、支給を行うこと。

(2)周知については、一件でも多くの事業者に伝わるように徹底した工夫を講じること。また、国や京都府の施策も併せて活用できるよう案内すること。

(3)コールセンターがつながらないといった苦情を無くすように、回線等の充実を図ること。

(4)相談については、これまでの本市諸制度との違いや事後申請方式であることを踏まえ、事業者にわかりやすいく明確な説明を行うこと。

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