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2023年6月30日 (金)

対話…多様性の時代の統合原理

先の統一地方選では、投票される側の候補者も多種多様の人材が出馬し、また投票する側の有権者も新しい選択のカタチを示す結果となった。コロナ禍後はじめてとなる大型地方選であったが、コロナ禍前とコロナ禍後とでは、明らかに選択のカタチに変化を見ることができる。すなわち、団体や組織よりも個の尊重に社会はシフトしてきていることは間違いないだろう。こうした流れは、時代社会において静かな底流となって既に動き始めている
。今後の政治の未来を読み解くには、社会の底流に流れる「意志」を知ることが何よりも重要である。
私は、今一度政治を志した原点に戻り、改めて1980年代に、21世紀の民主主義や政治の方向を示した未来学者アルビン・トフラーの著「第三の波の政治」を読み返しているが、そこには「個の尊重」の意味について鋭い知見が示されている。著者は、情報革命社会(第三の波)における政治システムの三原理として、①半直接民主主義、②決定権の分散、③少数意見の尊重を挙げている。1980年代当時の日本社会システムでは受け入れられない論理だった。事実、日本の法学者や政治学者に「半直接民主主義とは?」と質問しても明確な答えが返ってきたという記憶はない。
多様性の時代には、確かに「少数意見の尊重」の視点が欠かせないが、「尊重される」、「尊重する」ための行動規範については、トフラーは示していない。「少数意見が尊重される社会の実現」という意味も当然あるが、「少数意見を尊重する社会実現のために、取るべき私たちの行動規範とは何か」ということこそ、政治家が持たねばならない視座である。その視座こそ「対話」であり、多様性の時代の統合原理の一つである。

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