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2006年8月

2006年8月 9日 (水)

京都市職員不祥事問題解決の足がかりは、現場第一主義から

京都市職員による不祥事問題について、桝本京都市長は先般、遺憾の意を表明するとともに、根絶に向けて環境局の組織改革や信賞必罰の徹底など人事改革等の抜本的な方針を8月中を目途に打ち出すとしている。

今回の事件だけでなく、過去10年間の不祥事の多くは、市役所本庁での事件でなく、ほとんどが区役所やまち美化事務所など出先機関で起こっていることが明らかになってきている。

公務員組織はいわば縦組織の象徴と言えるものだが、ネットワーク社会となっている今、組織の対応力や機能力の面からして機能不全となっているいっても過言ではない。つまり出先機関での不祥事は、リーダーから見えない死角で起こっているという事実を直視しなければならない。

NHKドラマ「次郎長 背負い富士」の制作統括の一柳邦久氏は、「現代に必要なリーダーは、信長のように子分をばっさりと切っていくリーダーではなく、次郎長のようにすべてを拾い上げ、すくい上げていくリーダーが必要」と指摘している。ポスト小泉の課題としても重要な視点である。

また、ブックオフコーポレーション社長の橋本真由美氏は、「レジに立つと、商品のレイアウトとか、売り方を間違えているとかいろんな問題点が見えてきます。社長室にこもって数字を眺めているだけではだめで、現場から考えないと判断を間違えます」と表明している。

不祥事問題解決の足がかりも、現場第一主義からはじまるのではないだろうか。

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Photo_36 創作画:七海 奏(ななみ かなえ)

作品名:悩みを数えるな。祝福を数えよ。

2006年8月 7日 (月)

家庭ゴミ有料化の課題

公明党京都市会議員団は、8月2日から4日にかけて、名古屋市福岡市北九州市に出張し、家庭ゴミ有料化に関する課題について調査しました。

名古屋市は、徹底した市民説明会の開催によってまず、分別収集の徹底によるゴミの減量化に取り組んでいます。しかし埋立処分地確保の限界を考えると、さらに一層減量化政策が必要であるとして、家庭ゴミ有料化を次の計画で検討し実施したいとの意向です。特にレジ袋を断った市民にポイントシールを配り、一定量集まれば値引きするという消費還元システムをとっており、レジ袋対策が独自策として注目すべきものでした。

福岡市は、すでに家庭ゴミ有料化を昨年10月より実施していますが、周辺自治体のほとんどが有料化していることからして、後発スタートとなっている実情があります。もっとも注目すべき点は、ゴミ収集業務を100%民間委託しており、直営ではしていない点です。そのため収集業務の時間帯も、深夜12時から早朝までです。深夜収集は、ゴミの散乱や臭いの問題がなく、カラス対策にもなり、しかも美観が損なわれず、共稼ぎなどの家庭のゴミだしなど夜に出すことの利点が多くあることが指摘されました。ゴミ袋の価格は概ね京都市と同様です。

北九州市は、以前から指定ゴミ袋を導入しており、以前に有料化を実施しましたが、今年7月から値上げした形でスタートしています。スムーズな実施移行を目指すため、収集スポットに10日間市民の協力を得てマナー向上行動をとったことが注目すべき点です。さらに、紙おむつなど使用世帯(要介護世帯、子育て世帯)への支援の充実が目立ちました。

京都市の家庭ゴミ有料化実施まであと2ヶ月余り。環境局職員の不祥事問題が続発している中で、市民の理解が得られない現状にあります。京都市は、名古屋市、福岡市、北九州市のゴミ行政に真摯に学ぶべきです。

2006年8月 5日 (土)

時代と組織の速度ランキング

第3の波(情報革命)を提唱した未来学者アルビン・トフラー氏は、以前から時代の変化の認識と、その対応力について指摘している。第1の波(農業革命)、第2の波(産業革命)、第3の波(情報革命)によってもたらされる変化の波は、第3の波の変化が主流になりつつも常に渾然一体となって進んでいる。

しかし問題は、その変化に対する対応力が重要な視点であることを彼の新著「富の未来」で指摘しているのである。すなわちそれぞれの組織の対応力をスピード(速度)で表現している。

時速100km(企業)、時速90km(社会団体・非政府機関)、時速60km(家族)、時速30km(労働組合)、時速25km(官僚機構、規制機関)、時速10km(公教育制度)、時速5km(国際機関)、時速3km(政治構造)、時速1km(法律)である。

スピード化の時代を考えれば、それぞれ遅い組織は変革や改革が余儀なくされることは当然である。旧態依然の対応力では、対応しきれない時代であることを速度が遅い組織ほど認識していないのが不幸である。

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