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2012年7月

2012年7月31日 (火)

生きるの教室(がんと向き合う)

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7月24日京都市内の私立中学校において、次世代を担う日本の子供たちに向けた健康教育プログラムとして注目を集めている「がん教育」を進める「生きるの教室」がはじめて講義されることになり、私も授業参観に行かせていただきました。

このプログラムは、日本の未来を担う子供たち一人一人が、病気の予防と治療に関する学習を通じて、いのち(生命)の大切さを知り、生きる力を育んでもらために立ち上げられたものです。当日は、東京大学医学部付属病院の中川恵一医師から、「いのちの大切さ」「がん予防のための方法」「がんと向き合う」など、意見創発型の授業として90分行われました。

授業では、大切な人を思い、その人のよいところをピックアップする「想起」、そうした内容を一瞬にして×にする「喪失」、そしてがんで大切な人を失わないために自分が何をできるかを考える「希望」という3つのジャンルで実践的に授業が進められました。

全国的にも徐々に広まってきており、今後は公教育現場においてのプログラム化が課題となりますが、私にとっても極めて貴重な体験でした。

ちなみに、トレードマークの「ゾウ」は、「生きるぞう」という意志と希望を表現しマスコット化されたものです。

2012年7月19日 (木)

防災・減災プロジェクト(橋りょう老朽化調査)

120626御池大橋視察-3

コンクリートの耐用年数は50年から60年。高度成長時代に整備された道路や橋などの社会資本は、私たちの生活の快適性を向上させることにつながりましたが、2015年以降、それらの施設は急速に老朽化することになります。今のうちに耐震補強工事などを施し、長く維持させていくことが求められています。公共工事が悪のように言われてきた歴史的な事実は真摯に受け止めながらも、私たちの生活を守る大切な基盤となる道路や橋や下水道、水道管等の社会資本の老朽化対策は待ったなしの課題です。

6月末に、公明市議団として橋りょうの老朽化対策の調査を実施しました。京都市では、いのちを守る橋りょう整備事業が今年度から予算化されています。分類としては、①5年以内に耐震補強の完了が可能な橋りょう、②5年以内に耐震補強に着手し、耐震補強の完了が工程上6年目以降となる橋りょう、③耐震補強の着手、完了が6年目以降となる橋りょう、の3分類にわけています。

その上で、特に老朽化修繕を急ぐ必要のある橋りょうが37、緊急輸送道路上の橋りょうが28、鉄道や道路をまたぐ橋りょうが24となっています。調査した橋りょうは、御池大橋で、重要路線上の橋りょう15のうちの一つで、5年以内に耐震補強の完了が見込める橋です。健全度はCランクであり、早急な対応が求められます。

いずれにしても、こうした社会資本の老朽化対策は、日本の今後の公共事業の在り方を根底的に変えるものとなることに違いありません。防災・減災ニューディールと位置づけていますが、私はシルバー・ニューディール政策の一環だと考えています。高齢社会に突入すれば当然その社会は、高齢者仕様の対応が迫られるからです。

2012年7月 9日 (月)

原発再稼働に思う

昨年3月11日の東日本大震災は、地震・津波・原発の三重災に加え、風評被害等も重なり、日本の国の未来に大きな影を落としている。とりわけ原発事故に対する対応は、将来のエネルギー政策をも左右しかねない大きな政治的課題となっている。その後50基の原子力発電所は、すべて停止となった。日本は、国挙げて「脱原発依存」社会構築のために取り組まなければならない「まったなし」の状況にある。

国民の誰もが安心できる対応がなされるための賢明な政府の対応が望まれるところだが、真夏の電力需要を背景に、電力確保優先で大飯原発の再稼働が決定された。しかし再稼働に踏み切ったものの、国民に成り代わってのクラゲの大量発生(笑い)もあり、先行き多難であることには間違いない。そもそも原発に対して、「反原発」「脱原発」の観点での反対の立場で議論すれば、平行線をたどることは明白だ。原発に依存しない国を構築するためには、エネルギー自給率18%の国で、しかも自給率の80%が原子力による発電に依存している我が国では、少なくとも10年、20年のスパンで石油、石炭、天然ガス等の火力発電や水力発電、天然ガス等のエネルギーをミックスし対応することが求めらる。現在、太陽光発電等の自然エネルギー率は、我が国はわずか1%程度。西ドイツのようにエネルギーの50%近くを自然の再生可能エネルギーで賄える国を目指す必要がある。その意味でも2020年までに再生可能エネルギーの導入目標を現在1%から15%目指すことが重要だ。

こうした「脱原発依存」の考え方は誰でも賛同できるものと思われる。しかし、今回の大飯原発再稼働の問題は、こうした総論ではなく、国民の生命と財産を守るべき政府の責任ある対応であったかどうかが問われる問題だと認識する。「なぜそんなに急ぐのか」という疑問に政府は答えていないように思うからだ。安全性の判断基準は、福島原発事故で、すでに信用失墜しているだけに、誰がどのような基準で、安全確認するのかという極めて初歩的な疑問に答えるだけの明確なバイブルを政府は持たねばならないのは当然だ。

過日、浅野史郎教授(慶応義塾大学)が、原発再稼働を決定した手続きの問題を挙げての論文を垣間見ることができた。宮城県知事を経験している方だけに、現場に即した内容で誠に興味深いものだった。

第1の問題点は、再稼働ができなければ真夏の電力需要に支障をきたすとして、安全基準が極めてあいまいなまま再稼働にゴーサインを出したこと。

第2の問題点は、安全基準の根拠として、現在、原子力安全保安院が審査し、その結果を原子力安全委員会が確認するという一応ダブルチェックがかかっている。しかしいわゆるストレステストだけでは不十分という指摘からも、このことを知りつつ再稼働にゴーサインを出したこと。

第3の問題点は、原子力安全保安院に代わる原子力規制庁が発足していない段階で、再稼働にゴーサインを出したこと。これは規制庁の承認なしに再稼働をしたということ。

第4の問題点は、立地県地元自治体の同意が得られているかという問題も、首長の意思がそのまま住民の意思と言えるだけの根拠が乏しい中で、再稼働にゴーサインを出したこと。

以上のような浅野教授の論点は誠に整理されたものだ。

このように考えれば、今回の大飯原発再稼働問題は、判断の在り方が問われている問題と言える。6月20日には、原子力規制委員会設置法が成立し、今後安全基準等が示されることとなるが、大飯原発再稼働は、こうした今までのチェック機能とはことなり、極めて厳しい第三者機関からの提言助言を待たずに再稼働に踏み切ったのである。あまりにも拙速不誠実と言わねばならない。

政府の「電力確保のため」という視点と、国民の「安全確保のため」という視点とが、真っ向から対立している状況下にあって、政府は、まずは「安全確保」最優先することが求められているのである。そのことが東日本大震災の教訓ではなかったのか。その上で、「電力確保」ということではないのか。その意味では、今回の政府の判断は、極めて拙速な判断であると断ぜざる得ない。政府がとるべき道は、現段階では、仮に今夏の電力需要に支障があるというなら、期限付きの稼働にし、夏が終われば直ちに停止させるべきである。その上で、「再稼働ありき」ではなく、最善の努力を結集し、国難ともいえる事態を国民とともに、乗り切るべきだ。

 

 

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