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2007年9月

2007年9月 7日 (金)

地方議員の新たな位置づけ

都道府県議会制度研究会が最終報告を行った「自治体議会議員の新たな位置づけ」という報告書(平成19年4月)は、極めて重要な今後の課題であるといえます。

分権一括法の実施等により地方分権(地方主権)は益々進展してきておりますが、その一方で、それを支える住民自治の場である自治体議会には、政策立案機能や監視機能の充実強化が求められてきており、地方議員の活動領域も拡大してきています。しかしながら議員としての活動に生活時間の相当部分を割いている実態がある中で、公職選でありながら任命職と同じ枠組みであったり、職責や職務が法令上に明記されていなかったり公費支給が議員の活動実態とマッチしていないなど、地方分権推進の中に地方議員のあるべき姿の具体策が反映されていないのが現状です。

こうしたことから研究会では、自治体議会議員の新たな位置づけとして、地方自治法に地方議員の職責・職務に関する規定を新設することや、報酬を地方歳費(仮称)に改めることや、費用弁償、政務調査費についても条例規定の定めの必要性等が提起されています。

今、全国的に、政務調査費のあり方や、費用弁償のあり方について、それぞれの地方議会で真剣に議論されてきています。しかしA市では、政務調査費は会派のみに支給し、B市では会派と議員とそれぞれに支給することを条例に明記していたり、また使途基準がC市とD市が同じ費目でも異なっていたりすることが、はたして今後の新しい地方分権社会の時代にふさわしいあり方なのかと疑問を持つのは私一人ではないと思います。現在でも各都市で違いがある現状の中で、今一度原点にもどり、地方議員の位置づけの方向性を国レベルで羅針盤として決めるべきであると思う。その大枠のガイドラインが決まる中で、地方政治はまた一歩足を踏み出すことができるのではないでしょうか。

京都市会においてもこの9月より、いよいよ第3次市会改革小委員会が開催される。議論の項目は①政務調査費②費用弁償③海外行政調査④常任委員会の活性化の4点である。精力的に議論をし全会派合意形成を図り、早期に改革の方向性を決めたいものだ。

2007年9月 6日 (木)

第三次市会改革検討小委員会

議会機能の強化や議員特権の見直しなどを改革するために設置された第三次市会改革検討小委員会の9月5日に初会合を持ちました。思い起こせば平成15年2月25日に、私たち公明党京都市会議員団は、当時の議長に対し、政務調査費の一層の透明化、海外行政調査の見直し、議会のあり方検討委員会の設置の3点を求める要望書を提出しました。このことが大きなきっかけとなり、その後第一次、第二次の改革委員会において、多くの課題に挑戦に改革に取り組むことができました。第一次改革委員会では、主に政務調査費の透明性の確保の観点から、一件5万円以上の支出についての証拠書類(領収書)の開示を義務付けた他に、議員の特権といわれた市バス地下鉄の無料パスの廃止や表彰制度の見直しを実行することができました。また海外行政調査でも従来の旅費支給額や調査日数の短縮などの制度改正も行いました。さらに第二次改革委員会では主に議会機能の強化について、多くの課題を議論し市民に開かれた議会改革をしてきました。

今回、第三次改革委員会では、政務調査費、海外行政調査、費用弁償、出前議会の4点に絞り徹底議論を行い来年の3月はじめには各会派合意形成をはかり結論を出す予定です。民意を反映して時代の大きな流れは、情報公開と説明責任です。議員が自らが血を流す改革をぜひとも達成したいと決意しています。

2007年9月 4日 (火)

農水相辞任に思う

農水相がまたまた辞任した。国民からは「いったいどうなっているのか」、「もういいかげんにしろ!」と怒るよりも、あきれ果て、あきらめの極地である。先月内閣改造で新出発した矢先のことでまったく政権与党には、大きな打撃であることには間違いない。従前の政治状況であれば、政党自身に自浄作用が働いていたが、未来学者であるアルビントフラーたちが指摘するように、明らかに情報化時代における政治の方向や、知識社会が織り成す波に政治はどうあるべきかなどのテーマを政治に携わるものは真摯に受け止め、次への行動に移さなければならない転換期にきており、その意味では一人に政治家の言動が国家を動かす時代にまできていることを注視する必要がある。つまり組織の時代ではなく、一人の時代になっているのである。それゆえ一人の政治家の完成度に焦点が当てられることは自明の理である。また自民党の失態だからと対岸の火事と民主党が認識しておれば早晩同じことが繰り返されることを肝に銘じるべきである。

今夏の参議院選挙において自民党が惨敗したことをうけ、日経ビジネスのネットにブログを書いている宗文洲(そう ぶんしゅう)氏の言葉が新鮮に思い出された。「政治という言葉には正しい文人が水を治めるという意味があります。太古の中国では黄河流域に生息する人々の生活を一番脅かしていたのは洪水でした。政治とは堤防を作り洪水から住民を守ることでした。政治家にはビジョンや理念も大事ですが、それは住民の生活を守ってからの話です。しかしここ数年来、日本の政治家はビジョンや理念を過剰に強調し、それを表現するための台詞とパフォーマンスに大切な時間と労力を注ぎすぎたような気がします。」、そして「閣僚に不祥事が相次いだことからわかるように、リーダーに必要とされる能力の基本的な部分は人事力だと思う。つまり人を見抜く力が欠けているとまで言っております。政治の原点に今こそ今一度立ち戻って、対処してほしいものだ

宗文洲氏は「明らかに政治の基本への回帰の始まりであり、政治バブル崩壊のはじまりでもある。間違いなくもう一つの歴史の転換点である。悪い方向でなくよい方向への転換である」と指摘している。誠に至言である。日本の政治家は岡目八目の意見に耳を傾けるべきであろう。

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