地方議員の新たな位置づけ
都道府県議会制度研究会が最終報告を行った「自治体議会議員の新たな位置づけ」という報告書(平成19年4月)は、極めて重要な今後の課題であるといえます。
分権一括法の実施等により地方分権(地方主権)は益々進展してきておりますが、その一方で、それを支える住民自治の場である自治体議会には、政策立案機能や監視機能の充実強化が求められてきており、地方議員の活動領域も拡大してきています。しかしながら議員としての活動に生活時間の相当部分を割いている実態がある中で、公職選でありながら任命職と同じ枠組みであったり、職責や職務が法令上に明記されていなかったり、公費支給が議員の活動実態とマッチしていないなど、地方分権推進の中に地方議員のあるべき姿の具体策が反映されていないのが現状です。
こうしたことから研究会では、自治体議会議員の新たな位置づけとして、地方自治法に地方議員の職責・職務に関する規定を新設することや、報酬を地方歳費(仮称)に改めることや、費用弁償、政務調査費についても条例規定の定めの必要性等が提起されています。
今、全国的に、政務調査費のあり方や、費用弁償のあり方について、それぞれの地方議会で真剣に議論されてきています。しかしA市では、政務調査費は会派のみに支給し、B市では会派と議員とそれぞれに支給することを条例に明記していたり、また使途基準がC市とD市が同じ費目でも異なっていたりすることが、はたして今後の新しい地方分権社会の時代にふさわしいあり方なのかと疑問を持つのは私一人ではないと思います。現在でも各都市で違いがある現状の中で、今一度原点にもどり、地方議員の位置づけの方向性を国レベルで羅針盤として決めるべきであると思う。その大枠のガイドラインが決まる中で、地方政治はまた一歩足を踏み出すことができるのではないでしょうか。
京都市会においてもこの9月より、いよいよ第3次市会改革小委員会が開催される。議論の項目は①政務調査費②費用弁償③海外行政調査④常任委員会の活性化の4点である。精力的に議論をし全会派合意形成を図り、早期に改革の方向性を決めたいものだ。