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2006年9月

2006年9月26日 (火)

職員不祥事調査特別委員会(三日目:環境局)

覚醒剤使用で多くの逮捕者を出した環境局における不祥事の調査を行った。委員からは終始一貫、手厳しい意見があった。市長が抜本改革大綱で示したように、環境局の解体的出直しは本当に可能なのか。まだまだ課題も多い。

覚醒剤・セクハラ・器物破損・暴行等、公務員倫理を議論する以前の問題である。公務員の不祥事には、公務外非行など多くの分類がされており、その内容の如何によって処罰も詳細に分類されている。今日までの不祥事は、本人自身のモラルの欠如は当然のこととして、永年の組織の甘さが招いたいわば人災とも言える。理事者は「甘さがあった」と抜本大綱で総括された今日までの「甘さ」を強調しているが、今頃になって「甘さ」があったと反省しているようでは、どうしようもない。もしも特別委員会など議会のチェック機能がなければ、その甘さは以前として改革されなかったであろう。理事者が「二度とこうしたことのないよう・・・」と毎回のように発言するのは、もうこれっきりにしてもらいたいものだ。

組織改革(区役所を市長の直轄組織に!)

孫子の兵法は「兵とは国の大事なり。死生の地、滅亡の道は、察せざる可からざるなり。故に之れを経るに五を以てし、之れを効らかにするに計を以てし、以て其の情を索む。一に曰く道、二に曰く天、三に曰く地、四に曰く将、五に曰く法」という有名な言葉で計編からはじまるリーダー必読の書である。この五事(道・天・地・将・法)は、その後、兵法戦略として幅広く活用されてきた。とは民衆の意志を統治者に同化させる理念で、組織でいえばトップと現場の意識の共有である。とは、四季の定めを勝利に導く理念で、組織でいえば市政の現場である市民意識をいかに把握し活用するかである。は、地形の分析の理念であり、組織でいえば社会情勢に如何に対応しているかどうかである。は、物事を明察できる智力、部下からの信頼、部下を思いやる仁慈の心、困難に挫けない勇気、法を維持する厳格さ等、リーダーが備える能力のことである。は組織の部署割を定めた法や組織を監督する官僚の職権を定めた法など指揮権に関する法律のことであり、リーダーはこれら五事を肝に銘じ統治することの重要性を求めている。

またこの五事は、組織論としても多く展開され、正五角形(五稜郭)の組織構築としてペンタゴン(アメリカ国防省)における戦略にも生かされている。この正五角形による戦略的組織論は、リーダーが正五角形の中心に位置し、その星(角)にも等間隔で位置しておりリーダーの意志がそのまま現場に同時に伝わるという五事のの理念が活かされている。また正五角形(五稜郭)は外的からも多重防御できることから外的に対してもスキがなく死角がないという理想的な形だと言われている。

私は、京都市職員の不祥事の根絶に向けて、公務員倫理の評価システムの確立や、リーダーの現場主義思想の徹底等、多くの解決具体策を提唱しているが、不祥事を許さず起さない組織文化を構築する観点から、区役所を市長の直轄下に組織改変することを提起したい。これは、死角のない組織の確立を考える時、孫子の兵法に学ぶことが多いと考えるからである。ネットワーク化組織やコンパクトな組織構築が求められている今、市長が天守閣のような高い位置にいては組織の危機管理は構築できない。市長が現場である区役所を自らの直轄組織にすることで、まさに平城(ひらじろ)として戦略的組織構築が可能になるものと確信している。

2006年9月25日 (月)

組織事件(不祥事を出さない組織文化)

北区役所の生活保護事務に関わって発覚した事件を教訓に北区役所は、「市民の信頼を回復するために~不祥事を許さない仕組みと組織文化の確立を目指して~という改革方針を打ち出しました。その中には正義の文化・学習する文化・コミュニケーションの文化・柔軟な文化、の4つの指標を打ち出し、組織の安全文化の構築を目指しています。

この組織文化の理念は、イギリスの心理学者ジェームス・リゾーン氏の著「組織事件」の中にある不祥事を根絶する組織文化として4つ提唱していいることに起因しております。それによれば個人が引き起こした事故や不祥事であっても、実際には組織の体質や文化(風土)に問題の原因がある組織事故であることが多いと指摘し、組織事故をなくすには4つの「安全文化」が必要と提唱しています。それによれば情報を隠さない「報告する文化」、信賞必罰を行う「正義の文化」、失敗の経験を生かす「学習する文化」、必要に応じ組織や仕組みを改変する「柔軟な文化」です。

抜本改革大綱の推進にあっては、具体的改革項目を示すことは当然ですが、それとともに不祥事根絶に向けて、しっかりとした目指すべき組織文化の理念が必要です。それが推進力実行力実現力になるに違いないと確信します。

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