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2006年7月31日 (月)

自由競争経済と秩序(猪木武徳 国際日本文化研究センター教授)

29日(土)サマーセミナーにおいて、「自由競争経済と秩序」と題し、国際日本文化センター教授の猪木武徳氏が講演。サブタイトルには「儲けと公益」と題しポスト小泉の日本における課題について論じた。

ルールのない自由競争や個人主義や民主制というのは、いずれその国を枯らしてしまいかねない。アメリカの自由競争経済の流れの中で、枯渇しないのは、安全弁があるからという識者(トクヴィル)の論を紹介。①中央政府と個人との間に中間組織が多く存在しており、これが社会秩序形成機能に大きな役割を果たしていること。②刑事・民事ともに陪審員制度が確立されており、これが市民の側に社会秩序を共に創っていくシステムになっていること。③結社や集団などが多いこと。④宗教が公共精神を養う大きな役割を果たしている。との指摘である。

さらに社会秩序を形成していくためには、ある種の理想や憧れが重要な意味をもつとし、福沢諭吉の「私智・私徳・公智・公徳」の視点が重要であり、なかでも最重要は公智であると主張。

最後に、日本の課題として人材育成の面で教育が特に重要であるとし、高等教育の充実とともに、古典の知恵に学ぶことの重要性を指摘しました。

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