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2020年8月

2020年8月 5日 (水)

脳が陥りがちな10の本能(思い込み)~ファクトフルネス~

ファクトフルネス」の本。これは世界で200万部、日本では4分の1読まれているハンス・ロリング著の翻訳書である。著者はこの書の中で、私達が日常的に陥っている本能(思い込み)を指摘し、情報に基づき合理的な判断を下す知識のアップデートの必要性(データリテラシー)を警鐘している。コロナ禍にある現在にあっては、なおさら冷静かつ的確に判断をするためにもこうした知識のアップデートが必要である。

著者は、脳がおちいりがちな10の本能として、以下10の思い込み(勘違い)を提起しているので注視したい。(プレジデント2020年特別号参照)

❶犯人捜し本能・・・誰かを責めれば物事は解決するという思い込み。見つけるべきは犯人ではなく原因で、見直すべきは人ではなくシステムである。

❷過大視本能・・・目の前の数字が一番重要だという思い込み。目の前の事実を過剰に重要だと思い込まず、数字を比較した一般論として認識することが重要である。

❸恐怖本能・・・危険でないことを恐ろしいと考えてしまう思い込み。恐怖と危険は異なる。どれくらいの頻度で起こりうるのかリスクを考えることが必要である。

❹単純化本能・・・世界はひとつの切り口で理解できるという思い込み。多様な認識ツールを駆使することが必要である。

❺ネガティブ本能・・・世界はどんどん悪くなっているという思い込み。悪いことと良いことの事象の両立による認識が重要である。事実に基づかない悲観的発想はしないこと。

❻直線本能・・・世界の人口はひたすら増え続けるという思い込み。直線グラフ数値の方がまれであることを認識すべきだ。

❼焦り本能・・・いますぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み。正確で重要なデータに基づき決断し、極論は抑えるべきだ。

❽分断本能・・・世界は分断されているという思い込み。事実認識が重要である。

❾パターン本能・・・ひとつの例がすべてに当てはまるという思い込み。ステレオタイプを回避するため分類の精査が必要である。

➓宿命本能・・・すべてはあらかじめ決まっているという思い込み。常に知識をアップデートすることが重要である。

こうした思い込みは、非常事態にある時ほど、本能が全面に出てくる傾向にある。常日頃から、知識を鍛え、データリテラシーの向上に努めたい。

2020年8月 4日 (火)

避難確保計画と水害ハザードマップ

京都市総務消防委員会では、8月3日行財政局と消防局に対し一般質問を行いました。私は、行財政局に対し、要配慮者利用施設における避難確保計画の作成等の現状と、水害ハザードマップの課題と改善について質疑を行いました。

要配慮者利用施設というのは、高齢者施設、障害者施設、社会福祉や児童福祉等の保護施設、医療施設、教育施設です。災害が発生した場合には、災害弱者となり特段の支援が必要となります。近年多発する複合災害に際し、平成29年6月水防法及び土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(土砂災害防止法)が改正されたことを受け、浸水想定区域や土砂災害計画区域等に立地する施設の管理者は、避難確保計画の作成と市町村への報告と、同計画に基づく訓練の実施が義務付けられることになりました。

避難確保計画の内容は、施設利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために、①防災体制、②避難誘導、③施設の整備、④防災教育と訓練の実施、⑤自衛水防組織の業務等の事項を定めたものです。

質疑の中で、京都市内においては、1000施設を超える対象施設のうち、約7割が計画作成済となっていることが明らかになりました。一方、訓練の実施についての数値については未定。100%の計画作成と、訓練の実施を徹底するよう求めました。特に国の指導では、1年に1度以上の避難訓練の実施が標準としてますので、要配慮者の命を守るために徹底した取り組みが必要です。

一方、水害発生に対する対応については、災害前に必要な情報、災害時に必要な情報とに整理をしたうえで、適切に対応することが重要です。災害前に必要な情報として水害ハザードマップがあるが、垂直避難が求められる水害に対しては、市民が水害浸水のイメージがリアルにわかるように改善することの必要性を訴えました。最近では、3Dハザードマップ作り等電子版ハザードマップに着手する自治体も出てきていることや、国が推奨するまるごとまちごとハザードマップのように、地域における水害情報の共有化と可視化(見える化)を進めるべきことも併せて訴えました。さらに、外国観光客が多い京都市においては、ハザードマップの多言語化も不可欠です。

2020年8月 3日 (月)

ポストコロナ考④ 今後の都市計画に求められる5つの視点

コロナ禍により、職や住まいのスタイルにも変化が生まれることで、都市計画(まちづくり)においても今後新たな課題に向き合うことになる。

ロックダウン下において求められる公共空間は「公園」であったと指摘したのは、世界資源研究所である。今後、住まいだけでなく、オフィス、道路、公園等、役割の再考が求められている。

世界資源研究所は、「今後の都市計画(住まいやまちづくり)に求められる5つの視点」として、ポストコロナ社会における新たな都市計画の方向性を提言している。それによれば、

❶コアサービスの利便性への着目…大都市偏重型のまちづくりによる格差の解消を最優先させた都市計画。

❷適切な住宅と公共空間の配置…密集を回避しソーシャルディスタンスを確保した適切な住宅の提供と、地域における公共空間を再考する都市計画。

❸緑地や水辺空間の総合的アプローチ…緑地や水辺空間の確保による自然災害等への対応を最優先させた都市計画

❹都市部と地方を一体的に考えた都市計画の作成…大都市と地方都市という2極志向を見直し、ネットワーク型都市の創出など地方自治体の圏域を超えた広域的戦略を重点におく都市計画

❺精度の高いデータセットの構築…ビッグテータの活用による都市計画

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