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2020年6月 9日 (火)

ポストコロナ考① スピード(Speed)

非常事態宣言が解除となり、これまでの感染拡大に一定程度のブレーキがかかり、平時の日常生活にもどりつつある今、アフターコロナポストコロナという視座での主張や専門分析等の情報が出てきている。今後相当の間、このテーマは、人類にとっても国家にとっても、そして私達一人一人にとっても避けて通れない課題であり、未来を切り開くための試練でもあることに違いない。そうした問題意識から、日々徒然に思うところを不定期に「ポストコロナ考」としてブログにて発信していきたいと思う。

第1回目は、「スピード」を視点に置きたい。歴史的なパンデミック(世界的大流行)となっている新型コロナウイルスからの挑戦に対し、人類は応戦によって克服しなければ未来はないといっても過言ではない。こうした「挑戦と応戦」の論理を提起したのは、20世紀最大の歴史学者アーノルド・トインビー氏だが、博士は「文明は応戦することで新たな文明を創造してきた」と地球上に誕生してきた文明の盛衰について論じている。その応戦ということを考える際、具体的どのような視点が必要であるかと言えば、私見であるが「対応力の尺度となる速度」について光を当ててみたい。

私が1990年に市会議員に初当選してすぐに、出会った政治学の書物に、アメリカの未来学者であるアルビン・トフラーの「第3の波の政治」がある。第3の波(情報革命)を提唱した未来学者アルビン・トフラー氏は、以前から時代の変化の認識と、その対応力について指摘している。第1の波(農業革命)、第2の波(産業革命)、第3の波(情報革命)によってもたらされる変化の波は、第3の波の変化が主流になりつつも常に渾然一体となって進んでいることを提起してきた。彼はすでに死去しているが、もしも今回の新型コロナウイルス感染拡大に直面していたなら、さらに第4の波(人間革命)を提唱しているかも知れない。

ともあれトフラーは、20年前にこうした変化に対する対応力が重要な視点であることを、彼の著「富の未来」の中で指摘していたことは注目に値する。

彼は、それぞれの組織の対応力をスピード(速度)で表現して、時速100km(企業)、時速90km(社会団体・非政府機関)、時速60km(家族)、時速30km(労働組合)、時速25km(官僚機構、規制機関)、時速10km(公教育制度)、時速5km(国際機関)、時速3km(政治構造)、時速1km(法律)であるとしている。

今の時代の流れが例えば高速道路を時速100kmで走っているとすれば、その運転手も100kmに即した運転を余儀なくされることになるが、その際、政治機構や行政機構が時速3kmでの運転をしていれば時代から取り残されるのは自明の理である。トフラーが「富の未来」を著した時代と異なり、時代は更に加速度を増している中、今を生きる私達すべてに「応戦」が求められている。

スピード化の時代を考えれば、対応力が遅い組織は変革や改革が余儀なくされることは当然である。旧態依然の対応力では、対応しきれない時代であることを速度が遅い組織ほど認識していないのが不幸である。応戦とは対応力であることは言うまでもないが、さらにリーダーの決断力・実行力とも言える。

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