« 予算委員会(市長総括質疑)…進化する動物愛護行政の推進を! | メイン | 文化芸術創造のまちづくり »

2015年3月13日 (金)

動物愛護法第9条(地方公共団体の措置)

動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)には、動物に対する誰もが思う慈しみとともに、今日まで動物愛護のために活動されている方の他、ペット業者や獣医師の方々等、多くの方々の思いが結集され進化する法律として度重なる法改正のもとに今日に至っている。
この法律を踏まえ各都道府県は、動物の愛護及び管理に関する条例の制定とともに、動物愛護推進計画の策定等などし総合的に取り組まれてきている。また一方、政令指定都市においてもその多くが、動物愛護法にもとづく条例を制定し動物の適正な取扱い関連施策を推進している。
今回、京都市が条例提案している「京都市動物による迷惑等の防止に関する条例」が、どのような法的根拠をもとに提案されているのか。この疑問については予算委員会やその他のパブリックコメントでも意見は見えてこない。
私は、3月12日の市長総括質疑において京都市として「動物愛護推進のための条例」制定を求めた。それは規制する条例と、愛護するための推進条例とのバランスをとることが動物愛護施策には極めて重要であることを深く認識していたからである。
質疑の中でも現段階における京都市の考えは、「研究する」に留まっている。これらを勘案すると京都市は、京都府動物の飼養管理と愛護に関する条例及び、京都動物愛護憲章の理念に基づき、今回の条例を提案したものと考えられる。
しかし私は、さらに条例提案の必要性について確かな根拠を探すため、再度動物愛護法を読み直した。50条からなる動物愛護法は、多角的な視点で様々な課題に対し対応するために各種の規定が定められている。
その中でも第三章「動物の適正な取扱い」第一節の総則、第7条には所有者等の責務が示されている。さらに第9条には、地方公共団体の措置として「地方公共団体は、動物の健康及び安全の保持するとともに、動物が人に迷惑を及ぼすことのないようにするため、条例に定めるところにより、動物の飼育及び保管について動物の所有者又は占用者に対する指導をすること、多数の動物の飼養及び保管に係る届出をさせることその他の必要な措置を講じることができる。」と規定されている。
この第9条を見る限り、今回の京都市の条例案の最も的確な根拠性は、動物愛護法第9条の規定を根拠に提案されたと観るのが妥当な見方であり理解しやすい理由である。となれば今回の条例の意味は、極めて大きな意味を持つ。つまり冷静に考えれば「動物愛護のための行為」の明確化である。主観的なものでなく、条例により動物愛護のために行う行為が第三者的にも十分に理解されるように担保することが必要のなのではないか。
いわゆる誰が見ても人に迷惑をかける行為(不適切な行為)は、慎むべきであることから、動物愛護法に抵触する行為には改善を求めるのは当然である。今回の条例案の罰則規定は、動物愛護法で罰金が科せられていることと同等の意味を持っている。しかし、今回の議論で改めて明確になったことは、動物愛護法においても府条例においても、犬や猫の所有者及び占有者の責務が規定されつつも、所有者が定かでないとされるいわゆるまち猫についての所有権や占有権が極めて曖昧であるということである。
野良猫は、飼まち猫や地域ねこは、野良猫でもなく飼い猫でもない。そのちょうど中間的な存在なのである。この中間的な存在の規定がされていない。所有者等(所有者及び占有者)と規定されている条項の「」には必然的に、まち猫活動をしている団体や個人は当たらないと解せる。「市民等の責務」という条項の「等」に当たるものと解せる。
残念ながら動物愛護行政における都市部の課題である「まち猫」を取り巻く法的課題はまだ整備されていないのが現状なのであろう。動物愛護法だけでなく、府条例においても、今後、まち猫、地域猫の法的立場を明確にすることが極めて重要な時代になってきている。

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

コメントは拒否されました。

Lekumo ビジネスブログ またはその他のOpenIDでログインしてください

アクセスランキング

Google
WWW を検索
このブログ内を検索