防災から減災へ
東日本大震災という巨大地震を機に、防災意識から減災意識への転換が求められている。巨大地震災害の前には、水際防御は、一定水準を超え、まさに、自分の命を守るために、災害から逃げる行動規範が必要であるとの論だ。
減災という概念の歴史をひも解くと、阪神淡路大震災を機に設置された人と防災未来センター長である関西大学社会安全学部長の河田惠昭博士の学術論文に出てくる。学術用語としては、1988年には、社会の防災力、ソフト防災、ハード防災、災害マネジメントと併せて、減災がすでに示されている。研究の進展に伴って新しい学術用語ができている。巨大災害(1989年)、複合災害(1995年)、災害と貧困の悪循環(1998年)、スーパー広域災害(2003年)、スーパー都市災害(2003年)、最悪の被災シナリオ(2005年)、ユキビタス減災社会(2008年)、生存避難(2010年)といった具合だ。
私たちが日常的に使いはじめている防災関連の言葉の背景にあるものをしっかりと認識し、減災についても如何に意識づけられるかが問われている。
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