減災よりも除災を(自助・共助・公助に加え近助精神を)
防災アドバイザーとして活躍する防災システム研究所所長の山村武彦氏は、減災という考え方から一歩踏み込んで除災という視点を重要視している。彼によれば、2005年3月の中央防災会議において、東海地震及び東南海、南海地震の地震防災戦略が決定されたが、死者の数や経済被害額の数値を今後10年間で半減することを目標としたが、これは、死者の発生はそもそも仕方がないという前提の議論であるからだ。死んでいい人などひとりもいないわけだから、死者ありきの減災ではなく、死者ゼロの除災運動を行うべきだとする。
また、自助・共助・公助という概念も必要だが、彼は除災には、「近助」が不可欠だという。隣り近所の助け合いがもっとも重要だとの視点は、まさに地域コミュニティの核心的テーマである。
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