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2009年12月 3日 (木)

メンタルヘルスケア(精神保健)

現代社会は、第三の波を著したアメリカの未来学者アルビン・トフラーが示したとおり、情報化の急速な進展によって、生活時間及び空間が極めてスピード感をもって私たちの生活に影響を及ぼしている。人間はどれだけ進化しても、一日24時間しか与えられていない。しかも8時間前後の時間、睡眠を確保しなければならない動物として存在し続けている。実際に活動可能な時間は3分の2の16時間である。これは古来も現代も変わっていない。しかし、人間を取り巻く環境は大きく変化しつづけ、益々スピードが要求されるようになってきた。デジタル社会は、人間をストレス社会に追いやるということを痛感している毎日である。私などは1日30時間ぐらいあったらと思うこともしばしばである。しかし、いくら科学が発達してもこの夢だけは叶わない。こうした状況は、人間が活動可能な物理的時間の中に、どんどん仕事を詰め込むようなもので、定型のボンベの中に、どんどんどんどん酸素を入れ続けるようなもので、いずれボンベは爆発してしまう。これがストレスである。アナログや自然環境、ふるさとといった心を取り戻すファクターの復権が如何に大事かということである。

過日、労働の職場でストレスで悩んでいる職員をケアサポートされている横浜労災病院心療内科部長の江花昭一先生が執筆されたある機関紙の論文を読む機会を得たが、改めてメンタルヘルスの大切さを痛感した。1970年代は、精神衛生という名称が使われていたようだが、1988年の労働安全衛生法改正以降、メンタルヘルスという(精神保健)名称がよく使用されるようになったといわれている。メンタルヘルス対策の政策を打ち出すためには、対象者を規定する必要があるが、江花氏は、①精神的健康者、②精神的半健康者、メンタルヘルス不調者の3つに分類している。3つのカテゴリーごとにケアを行っていくことが更に求められるが、江花氏は、具体的に4つのケアに分類されており、今後の政策研究に大いに役立つものである。

すなわち心の健康増進のための措置として一番大切なことは、「誰がその措置を担当するのか」という視点を明確にしていることだ。それは、①セルフケア(自らが自身のストレスを予防、軽減、対処する)、②ラインケア(管理者等の上司等が部下に対して組織的にも相談対応し措置する)、③スタッフケア(組織内部の保健衛生スタッフが措置する)、④サポートケア(組織外部の専門的資源を活用し措置する)の4つである。(尚、サポートケアなどの表記は私が趣旨を踏まえつけた名称です)。様々な組織体でこうした法的専門的なサポートの必要性が高まっている時代であり、組織方針及び人材育成方針の政策に活用したい視点である。

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