ケネディの偉大なる説得(駐車禁止取締りに思う)
先月6月1日から、道路交通法一部改正が施行されることになった。主な内容は、迷惑駐車の取り締まり強化や、携帯電話での運転禁止規制、酒気帯び運転罰則強化である。特に迷惑駐車取締りについては、これまでの基準を明確にして取り締まりの公平化を図り、迷惑駐車を一掃することが大きな目的となっている。
そのポイントは3つである。(1)短時間の駐車も取り締まりの対象であること、(2)取り締まり業務を民間委託化したこと、(3)ドライバーの反則金の未納の場合には、所有者えの放置違反金の賦課と車検無許可となることの3つである。
ある新聞に、「駐車問題で大切なのは、尊い人命に関わるとの認識をみんなが持つことである。問われているのは、他者への想像力の有無である。“自分ひとりくらい”“何で自分だけ”“他の人の方がもっとひどい”などというのではなく、他人の迷惑をもう一度考える努力をすべき」(要旨)との記事が書かれてあった。さらに「単に駐車問題として片付けるのではなく、社会のために自分には何ができるかを考える契機にしたい」と締めくくってあった。
「国家があなた方のために何をするかではなく、あなた方が国家のために何ができるかを問うてもらいたい。国家があなた方に何をするかではなく、共に人間の自由のために何ができるかを問うてもらいたい。最後にあなた方がアメリカ市民であろうと、世界の市民であろうと、われわれがあなた方に求めると同じ水準の強さと犠牲を、われわれにも求めてもらいたい」とのケネディ大統領が至言が聞こえてくる。この有名なスピーチは偉大なる説得とも言われている。
私達の社会は成熟期を迎えている。個人自由主義も益々加速しているように思われる社会である。しかし市民自身の精神の成熟はまだではないか。「人間のための社会」の構築という人類の夢(自由)を現実のものとするために、「社会のために何ができるか」を問いたいものだ。
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