HPの告白
ワールドカップドイツ大会も大詰め。日本のサッカーはオリンピックメキシコ大会での3位以降、ワールドカップの参加はほとんど不可能な夢であったが、その夢の実現に先駆したのは、中田英寿である。比類まれな才能を発揮した彼は、いち早くイタリアセリエAで活躍した。ドイツでプレーした奥寺やブラジルでプレーした三浦の次ぐものである。いずれにしても中田英寿はJリーグができて以降、外国サッカークラブで活躍した第一人者であることには間違いない。今までの彼の功績にエールを送りたい。
その彼が、今回ワールドカップを最後に引退を表明した。それも彼のホームページ上での表明である。彼らしいとの評のある中で、今度は、ブラジルのロベルトカルロスもブラジルチームの引退表明をホームページ上で行った。今の時代を反映してか自分自身の極めて重要なことを、ブログやHP上で、告白することは果たして好ましいことなのかどうか。正直に自分の思いを表現できる場が彼らにはないのかもしれない。それだけプロという世界でプレッシャーを大きく受けて生活しているのであろう。しかしなぜか寂しい思いがする。
そういう時代だからこそ、一人言ではなく、人との関わりの中で引退表明をしてほしかったと思うのも私一人だけではあるまい。人間は人と人の間と書くが、他者との関わりがあって人間なのである。ブログやホームページでの一人言は、まさにひとり言である。そこには人間性や人間らしさや心の温度が伝わってこないものである。ネットワークのツールとしてITは重要であるが、ICTつまりITの間にC(コミュニケーション)があってこそ意味のあるものである。
今のこうした時代でホームページやブログの活用におぼれてはならないと肝に銘じたいものである。
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作品名:おいしいのかな?
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