男の復権(おやじ講座の未来)
私が「おやじ講座」という企画を以前からひそかに練っていた理由は、男の復権が、今の時代を大きく替える原動力となると確信したからだ。1985年以降、日本は失われた10年どころか、失われた20年、30年といたずらに経過し、いっこうに再生の方途が見えないでいる。社会情勢は、少子高齢化、情報化、ボーダレス化、グローバル化、・・・今まで経験したことのない課題に向き合っている。情報分析や学説からは、ソフトパワーの時代として、女性力の重要性を指摘している。私たちの周りの社会環境のニーズはソフトパワーでこそ対処できるという時代先端の認識は共通である。にもかかわらず、21世紀に入っても、社会規範や倫理観の欠如と思われる、公民含め国中のモラルハザードと思える数々の事件が続出しており、解決は叫べども、確かな兆しもないのはなぜか。よく、子どもは父親の背中を見て育ち、母親の胸で育つと教えられた。現代社会は、この父親が背を向けたまま、心までも背を向けてしまった結果、倫理観や社会秩序として規範が確立されないでいるのではないか。それを草の根の現場で、分かりやすく向き合うことのできる仕組みやプロセスはないものかと考えた。それが「おやじフォーラム」(Oyaji Forum)というキーワードである。訳せば「おやじ座」である。今後「おやじ座」として、地域貢献のおやじの知恵袋集団としてがんばってほしい。その場(テーブル)を用意することが、政治家の役目ではないか。巷間言われる「日本の民主主義は観客民主主義」ということを打破するものこそ、アルビントフラーが25年前に提唱した半直接民主主義の仕組みであり、今求められる新しい政治のかたちではないか。
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