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2008年10月20日 (月)

CSIS京都フォーラム2008

アメリカの戦略国際問題研究所稲盛財団、そして京都商工会議所の共催による「CSIS京都フォーラム2008」が20日午後から京都商工会議所3F講堂において盛大に開催され、これに私も勉学のため参加させていただき大いに刺激を受けました。CSIS(Center for Strategic and International Studies)は、党派を超えて国際的な公共政策を研究し、政策選択と問題解決方法を提案する1962年にワシントンで設立されたアメリカ屈指のシンクタンクです。今回のフォーラムのテーマは「アメリカ新大統領のゆくえと東アジアの未来」で、各界各層を代表する招待者をはじめ市民の参加も得て盛大に開催されました。特に現在アメリカ経済が非常に厳しい状況にあるため市民の関心も非常に高い催しになったものと思います。講師には、CSIS所長兼CEOで元アメリカ国防副長官であるジョン・J・ハムレ(John J.Hamre)氏です。また彼の基調講演の後、CSIS中国チェアーのチャールズ・フリーマン氏、国際公共政策センター理事長の田中直毅氏、同志社大学法学部教授の村田晃嗣氏、財団法人稲盛財団副理事長の福川伸次氏による活発なパネル討論会が行われました。

講演の中でハムレ氏は、「アメリカ新大統領が誰になるのかはわからない。誰になることが優位なのかということも言えない。ただ誰が大統領になるにしても次期アメリカ大統領は、ブッシュ大統領の7つの遺産を引継ぎ解決の具体的方策に相当の間費やさなければならないことは確か」と前置きし、この7つの遺産ともいうべき今後の政策課題について指摘しました。ブッシュが残した7つの遺産(政策課題)は、①現在良好に推移しているイラク情勢の対応、②悪化の一途を辿っているアフガニスタンとパキスタン情勢の対応、③今後の懸念材料であるロシアとの外交政策、④クリントン時代から一層良好な関係になっている中国情勢の対応、⑤核保有しているインドに対する対応、⑥アメリカ金融危機への迅速かつ長期展望に立った処方箋の具体化、⑦世界の中で地に落ちたアメリカの威信と信用の復権、というものだというのです。そして基調講演の最後に、今まではアメリカは二国間の交渉で外交を乗り切ってきたが、これからは多国間の協調と理解による新たな外交システムの確立が求められるとのハムレ氏の言葉が印象的でした。今私が読んでいるビル・エモット氏の「アジア三国志」と時流を同じくするものです。

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