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2008年6月12日 (木)

高齢者の年齢線引き(ショシャンナー)

現在「後期高齢」ということで大きな世論が巻き起こっている。現在のわが国の法律、条例等の制度では、高齢者を65歳以上とし、さらに前期高齢者を65歳から74歳、後期高齢者を75歳以上としている。しかし、そもそもこうした年齢の線引きは一体誰が決めたのか。国民一人ひとりが納得して決められたわけでもないだろう。制度上都合のいいように官僚が決めざるを得なかったのであろう。しかし戦後何年もの間、この発想は基本的に改善されていない。戦後日本の成長は、経済だけでなく医療・福祉を含め世界に冠たる成長を続けてきた。その結果、平均寿命も大きく伸びてきたことは事実である。また当時から教育面においても義務教育とされている15歳を卒業した後は、基本的に金の卵として働く生産者の存在として日本の成長を支えてきた。したがって高齢化率やその他の統計分析では、生産人口を15歳から64歳として基数としており、今日のすべてのデータに活かされていると言えよう。人口問題研究所の所長は、時代が大きく変化し雇用状況も大きく変化していることから、生産人口は25歳~75歳までとし、高齢者を75歳以上とするべきことを提言されているが、極めて重要な視点である。つまり現代では15歳から働く若者はほとんどおらず、高校進学、大学進学、さらには大学院まで進学する時代である。こうした社会状況にある現在、15歳から生産者と位置づけることは非現実であることから、実際に社会人として役割を果たすのは25歳だとの指摘である。また人生の50年間働ける、働きたい世代と指摘しているのである。実際に70歳の方々はまだまだお元気である。こうしたことを考え、一度日本の制度を根本から見直す議論を徹底して行うべきではないだろうか。

単に負担の割合調整等の制度的改善を目的とするよりも、現在の日本人に不可欠な発想の転換として、年齢に対する哲学と理念と誇りを取り戻すべきだと私は考えている。中近東では高齢者のことを「ショシャンナー」と言っているようです。その意味は「花」ということらしい。深い歴史と文明の中で培われてきた人間の知恵を痛感する思いである。人として高齢者として長寿とともに、「花」のある人生を生きたいものだ。

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