市民自治
前千葉県我孫子市長で、現在早稲田大学パブリックサービス研究所客員研究員の福嶋浩彦氏は、自治を運営する上で市民自治という言葉でその概念を提唱している。氏は、「市民自治とは、市民自身が地域の理念と方向性を決め、市民自身の力で地域をつくること」とし、そのためには「地域の中で市民ができることは市民自身の権限と責任で行うことが重要である」と指摘している。地方分権の論議は以前から行われているが、権限や財源をより地方へとの流れは三位一体改革により一定推進されてきたことは事実である。しかし地方分権の真義は、市民へ行政権限や財源をも限りなく付与していくことにより結実するものと考えられるが、氏は、今後、市民自治を推進するためには、①予算編成の過程を市民に公開していくこと、②聖域にこそ市民参加を促進させること、③自治の力を育てること等を提唱している。税金の使い方について市民は行政や議会に対し、情報公開と説明責任を求めてきたが、これから先は、それによって市民がどのような選択をするかという選択肢が提示されることになる。ここではじめて市民の側に責任ある選択が問われてくるのである。ふるさと納税の導入もこうした納税者のあり方が義務から権利へ移行する時代の流れからくるものであろう。どちらにしても地方自治という言葉はもう古くなってきた。市民自治が一層主流の時代となることだろう。
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