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2007年3月14日 (水)

新たな景観政策の推進に関する決議

3月13日京都市会2月予算市会が、平成19年度一般会計予算他すべての議案が可決されました。今回の市会は、まさに景観市会ともの言われるほど、新しい景観政策について市民を巻き込んだ議論になり全国的にも大きな注目をあびました。

議会としては、50年後100年後の京都のまちづくりのビジョンとなる重要な政策であるため、通常の議案に対する付帯決議を形をとらずに、永遠に議会の意志と示すために、市会決議の形をとった上で、全会一致をもって可決をしました。その決議の内容は下記の通りです。

-----新たな景観政策の推進に関する決議-----

1200年の悠久の歴史と文化が息づく、日本を代表する歴史都市・京都を再生し、世界に向けて、日本の宝である京都を未来永劫にわたって、世界に発信し続けるために、50年後、100年後の京都の未来を見据えた取組として、この度、新たな景観政策推進のための6条例案及び関係予算が提案された。これは、他都市とリードする特筆すべき景観政策と位置づけることができる。国家戦略としての京都創生の取組の根幹が、この新たな景観政策であり、国の全面的な協力が必要であることは言うまでもないが、何よりも、この新たな景観政策の規制強化により痛みを被ることが懸念される市民や事業者の理解と協力が是非とも必要である。新たな景観政策の実施の過程では、こうした市民や事業者の不安をはじめ、様々な課題と困難が予想されるが、今後も引き続き、市民や事業者の不安を払拭するために、十分な説明責任を果たすことに全力を注ぎ、市民や事業者と共に痛みを分かち合いながら、日本の宝である歴史都市・京都を次の世代に、誇りを持って継承することができるよう、新たな景観政策の実現に一丸となって、不退転の決意で取り組むことが必要である、そのために、下記の事項について、万全の体制で実施することが必要である。

1.他都市をリードする新たな景観政策と位置づけ、これによる経済効果も含めた政策の検証システムを構築すること。

2.新たな景観政策の市民への周知はまだ十分でない。今後も引き続き、市民や事業者へ不安を払拭するために、新聞や説明会開催等のあらゆる方法・機会を活用し、分かりやすく、効果的な周知徹底を図ること。

3.既存不適格となるマンション等について、金融機関から追加担保を求められたり、新たな融資が拒否されることのないよう、金融機関に要請すること。また、分譲マンションの建替えや大規模修繕が円滑に進むよう、区分所有者の不安を解消するための更なる建替え支援の充実、専門知識を有したアドバイザー派遣制度の創設、新たな耐震助成制度の創設に取り組むこと。

4.本市が施行する建築物について、歴史都市・京都にふさわしいデザインの建築物となるよう率先垂範を示すとともに、進化していくデザイン基準に対応できるよう、建築家等の専門家、建築設計関連団体等との連携を図り、デザイン基準等について、十分な協議を行う恒常的な協働システムを早急に構築すること。

5.狭小宅地以外(100平方メートル以上)についても、宅地の形状等により、デザインや門、塀、生垣などの設置については柔軟に対応し、和風を基調としつつも、周辺環境に調和した意匠建築であれば和風でなくても認めること。

6.京町家等の景観重要建造物の維持管理の助成制度や買取制度を推進すること。

7.デザイン審査に関しては、担当者のよって判断が異なることのないよう、組織的に対応できる十分な審査体制を整え、審査基準を明確にするとともに、職員の資質の向上を図るための研修等を十分に実施し、迅速かつ的確な審査を行うこと。

8.屋外広告物に関しては、現状でも、違反広告物が非常に多く、現行の基準が十分に徹底されているとは言えない。違反対策として、規制・指導体制を十分に整備し、違反業者・広告主に対する毅然とした対応を強化し、速やかに、違反広告物の是正、良好な広告物の誘導を図ること。

以上、決議する。 平成19年 3月13日 京都市会

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