エスカレーターの下り化
10月9日、京都市決算委員会(都市計画局)質疑で質問に立った私は、①被災された市民のすまい及び生活再建施策の再考、②交通バリアフリーの推進(JR西大路駅)の進捗状況、③エスカレーターの下り化について質疑しました。
超高齢社会の本格的な到来を受けて、従来の様々なシステムを高齢化対応に移行する必要性を訴えました。駅ホームの安全柵、ホームドア等の設置や、横断歩道の信号時間の延長等も、超高齢社会への対応として目に見える施策だといえます。
そうした中で、私は、エスカレーターについて言及しました。国の交通バリアフリー法の制定により、各自治体もバリアフリー移動等円滑化計画等を策定し、駅施設等のバリアフリー化を計画的に進めてきています。国の法律やガイドラインでも「エスカレーターは、上り専用のものと、下り専用のものをそれぞれ設置することが望ましい」とされています。しかし現実には設置スペースの確保等の課題から、片側のみのエスカレーターが多いように思われます。
高齢者や障害者、妊産婦の方々など、バリアフリー化が不可欠な方の目線で見れば、エスカレーターの上りと下りとでは、どちらが移動の障害となっているかといえば、明らかに「下り」と言われています。上りで階段を踏み外した場合、手をつく等防御も可能ですが、下りでの場合は、大怪我になるなど大きな課題を抱えているのが実情です。医学的にみても、高齢者の多くが疾病するといわれている「変形性膝関節症」は、上りよりも下りの階段が極めて負担であることは、整形外科では常識となっています。
こうした状況の中、最近上りエスカレーターを下りに変更する事業者が増加しているといわれています。福岡市の市営地下鉄では、一部を下りエスカレーター化をすることで、高齢社会に対応してきており、市民に喜ばれています。下りエスカレーター化を実施するため事前に市民にアンケート調査をしたところ、エスカレーターの一部を下りに切り替えたことについて、76%がの人が「よいと思う」と答えているとの調査結果もあると聞いています。今後、持続可能な都市の構築のためには、現実の人口減少社会、高齢社会に対応するために、諸課題を整理し現状調査した上で、新時代のバリアフリーシステムを作り上げていくことが求められます。
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