第三の波の政治
先の衆院選で政権交代となり、民主党を中心とする連立協議の行方とともに、自民党や公明党の復権を賭けた船出に注目があつまっている。どちらにしても、助走期間にどれだけパワーをため込むことができるかが課題であるが、未だに政局中心の報道から脱却していない日本社会も課題が山積している。15年前に導入された小選挙区比例代表並立制は、今回の衆院選で政権交代が可能となり制度導入当初の目的を一応果たしたことにはなったといえるが、日本の政治の行く末を憂うならば、民主主義のあり方についても大きな転換点に来ていることを痛感しているのは私一人だけではないだろう。1985年にホワイトハウスにおける戦略的指針としてアルビン・トフラーが示した「第三の波の政治」を今また読み返してみると、今の時代こそ彼の未来学で示された民主主義(政治の在り方)の方向を深く認識しなければならない時代ではないかと思う。すなわち、グルーバリズム社会となり情報化社会に移行し成熟しゆく時代においては、民意は大きく変化するとともに、民主主義すなわち政治の在り方も転換期を迎えるとしている。そして具体的にこうした第三の波といわれる時代における政治の方向性として彼は、半間接民主主義、決定権の分散、少数意見の尊重の3つを上げている。それぞれの方向性の具体的ありようについては、彼の著作の中に明快に記されている。この書籍は、環境問題の第一人者である郡嶌孝先生が紹介していただいた本であり、それ以来座右の書としている。私は1990年市会議員に初当選して以来、この命題に地方議会で挑戦し具現化を目指して取り組んできたが、今の時代こそこの指針を肝に銘じ行動しなければならない時代であると思う。
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