« 食育(健康家計簿の必要性) | メイン | より安全性を確保(トピック25号) »

2007年2月12日 (月)

幸福度(世界幸福地図)

2006年7月にイギリスの心理学者エードリアン・ホワイト氏(レスター大学)が、世界の国々の幸福度を示す「世界幸福地図」を発表した。平均寿命や経済状況、教育レベルなどに関する各国の発表済みの報告書の指標やデータをもとに分析し計算の上、ランク付けをしたものである。対象は178ヶ国で、第1位はデンマークで、その後にスイス、オーストリア、アイスランドなどが続き、アメリカ23位、オーストラリア26位、イギリス41位、スペイン46位、イタリア50位、フランス62位、中国82位、韓国102位、日本は残念ながら90位という結果であった。別の学者が2005年に発表した幸福度調査でもデンマークが第1位にランクされていることに注目したい。

日本は平均寿命世界第1位であり、経済でも世界第2位の国であるのに、幸福度(世界で一番幸せと思う国)が90位とはなんとも情けない限りである。どうして日本が90位なのか。

教育者である寺田治史(武庫川大学教育研究所)は、その原因を教育の面で分析をしている。教育レベルにおいてデンマークと日本とでは大きな差があるということである。デンマークでは小学校2年生までは「読み・書き・計算」に重きを置かず、しかも中学校2年生まではテストも評価も行わないというのである。そして授業も対話、会話形式で徹底されているという。また評価は別として親の同意があれば喫煙や飲酒も14歳から許されており、子どもの自由が保障されており、子どもの自己責任や自己決定が尊重されている。

こうしたことから現在のわが国で起こっているいじめや不登校、学級崩壊などはデンマークでは皆無だと言われている。これはデンマークの教育者であったニコライ・グルントヴィが提唱しているように、「文字による教育を『死の教育』といい、言葉による教育を『生の教育』」とした生きた言葉による対話の教育こそが、こうした幸福度につながっているとしている。わが国の教育の未来を考える時、千金の重みを持つ教育哲学といえる。

わが国は、今後の具体的な教育改革の方途を、「対話教育」に求めなければならないと改めて痛感した。

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

コメントは拒否されました。

Lekumo ビジネスブログ またはその他のOpenIDでログインしてください

アクセスランキング

Google
WWW を検索
このブログ内を検索