私の政策提言大道義知写真

 

「京都市役所改革」提言

■市民の信頼回復と市政再生のための『京都市役所改革』提言
 
先の「改革大綱」の評価と今後の課題を踏まえ、公明党京都市会議員団として下記の通 り改革の方向について提言するものである。

【『人間力』を基本理念とした組織構築の必要性】

 私たち公明党市会議員団は、不祥事を出さない本来の組織のあるべき姿として、「人間力」を基本理念とした組織構築の必要性を痛感している。組織は生き物であり人間自身が作り上げていくものであり人間が組織を変えるものである。したがって組織改革の主体はあくまで組織の構成員である職員自身でなくてはならない。
 ここ数年の京都市職員の不祥事件の事例を見ても、そのほとんどが法令遵守や公務員倫理を云々する以前の公務外非行である。これは「職員一人ひとりの人間力」が低下していることが起因しているものと考える。ここでいう人間力とは、公務員としての高潔な使命感や倫理観であり、真に市民に貢献するという奉仕精神であり、それを実行する行動と責任感である。また価値観の多様化と自由な個人主義という世相の中で、見失いがちになっている仕事における目的観の共有化でもある。
 組織体制や処分基準制度をいくら強化しても、そこで働く職員一人ひとりが希望に満ち、輝く仕事をすることがなければ意味がない。不祥事が続発し防止できない組織は、「死の組織」である。組織の再生は、そこに働く職員一人ひとりの生命が活性化した「活の組織」でなくては達成できないものと考える。
 その意味で私たちは、組織再生の前に、「職員一人ひとりの人間力」のパワーアップの視点を持つことの重要性を指摘したい。その上で今後の組織構築にあっては、そうした風土が組織に脈打っている組織でなくてはならないと考える。それが本来の「血の通 った組織」であると言えるもので、私たちはそれを「組織における人間力」と定義づけたい。そしてその「人間力」を常に強固なものとしていくための組織構築が望まれているのである。

【組織に求められる5つの力(5つの指標)】
 次に、「組織の人間力」を高めるために必要な5つの力(指標)を提起する。
情報化社会の進展は、組織機構のあり方にも大きな影響を及ぼしている。市民ニーズの多様化・スピード化に対応するだけなく、不祥事件の発生や不測の事態に適確に対応するためにも、今後の自治体組織に求められる指標について、歴史的知的遺産や識者等による組織文化理論を参考に言及する。
 「道・天・地・将・法」の五事で組織論を展開する「孫子の兵法」は、現代社会においてもその理念を参考すべきもので、生きた組織構築とリーダーシップのあり方についての理論は、古来から兵法戦略として幅広く活用されてきた。即ち「道」とは、民衆の意志を統治者に同化させる理念で、組織で言えばトップと現場が意識の共有ができているかである。「天」とは、四季の定めを勝利に導く理念で、組織で言えば市政の現場である市民意識をいかに把握し活用するかである。「地」とは、地形の分析の理念であり、組織で言えば社会情勢に如何に対応しているかどうかである。「将」とは、物事を明察できる智力、部下からの信頼、部下を思いやる仁慈の心、困難に挫けない勇気、法を維持する厳格さ等、リーダーが備える能力である。「法」とは、組織の部署割を定めた法や組織を監督する官僚の職権を定めた法など指揮権に関する法律である。リーダーはこれらの五事を肝に銘じ統治することの重要性を求めているのである。またこの五事は組織論としても広く活用されており、死角のない組織構築面 でこの五事を正五角形(五稜郭)としての展開や、中国の平城(ひらじろ)の建築理論やアメリカのペンタゴンにもその形状と理念が生かされている。
 さらに、英国の心理学者ジェームス・リゾーンは組織事故を未然に防ぐために必要な組織文化として「報告する文化」「学習する文化」「正義の文化」「柔軟な文化」の4つの組織文化の指標を提唱し全体として「組織の安全文化」としている。この理念は、京都市北区役所が「不祥事を許さない仕組と組織文化の確立を目指す『市民の信頼を回復するために』」という「業務改善の視点」を策定する際に生かされている。
 その他、ウエストラムというアメリカの産業社会学者は、あるべき組織文化として病的な文化、官僚的な文化と対比させながら、「活力ある文化」を提起している。また最近の民間研究機関の調査では、21世紀の時代を生き抜くための活力として(1)特徴抽出力、(2)自己開示力、(3)自己判断・決断力、(4)異なった立場の人との対話力、(5)上の世代とのコミュニケーション力、(6)情報提供力、(7)対人配慮力、(8)長所発見力、(9)楽しく学ぶ力、(10)異なった立場の人への理解力、(11)下の世代とのコミュニケーション力、(12)困難打開力の12の力(指標)を提起しており、とりわけ時代に最も求められるものとして「困難打開力」を上げている。
 そこで公明党京都市会議員団は、こうした組織文化理論や研究データを参考にしながら、現在京都市が置かれている危機的状況を踏まえ、「『人間力』による組織文化の構築」を基本理念とした組織文化のあるべき方向性を提起する。その上で不祥事根絶と市政再生のための組織に求められる指標として、「意志力」「対応力」「分権力」「コミュニケーション力」「説明責任力」の5つの力(5つの指標)を提言するものである。



コミュニケーション力(チーム力)説明責任力(情報公開)
「意志力」・・・組織には、高い倫理観や遵法精神性を堅持し、確固たる組織の哲学と指導理念を有していなければならない。組織といっても人間を抜きにしては語れない。中心者の強いリーダーシップに不可欠な哲学と指導理念を持った組織でなければならない。これは組織に「使命感と倫理性」を高めるものである。

「対応力」・・・組織には、スピード及び多様化する市民ニーズなど時代の変化に柔軟に対応し、事故や事件が発生した際の危機に対応できる力を有していなければならない。さらに具体的な問題に柔軟に対応する中で、結果 的に問題を処理し解決する問題解決力を有する組織でなければならない。これは組織に市民との「信頼感と活力性」を高めるものである。

「分権力」・・・情報化の波の中で、縦社会(ヒエラルキー)から横社会(ネットワーク)へすべての組織 が変化を余儀なくされている。組織には、旧態依然の縦組織でなく横組織(ネットワーク組織)への転換と庁内分権化による意志決定権の分散を推進できる力を有していなければならない。さらにネットワーク型組織を構築するためには、まずリーダーは縦組織の「トップ」であるという意識から脱却し、ネットワーク型の面 組織の「中心的存在(中心者)」であることの意識の転換と自覚が重要である。これは組織に「責任感と自立性」を高めるものである。

「コミュニケーション力」・・・組織の構成員である職員一人ひとりが互いに問題意識を共有していることが重要であるが、その基盤にはコミュニケーションの力が不可欠である。コミュニケーション力のレベルが上昇すれば、それは組織の責任感の強さにつながり、さらにはチーム力として組織強化につながるものである。これは組織に「連帯感と協働性」を高めるものである。

「説明責任力」・・・組織の隠蔽体質は不祥事発生の温床となり不祥事の連鎖を呼ぶものである。市民の信頼回復には、結論だけでなく結論に至った議論の経過(プロセス)をも含め組織の情報公開と説明責任が不可欠である。これは組織に「公平感と公開性」を高めるものである。



【補足】
 新たな時代の組織文化は、「意志力」「対応力」「分権力」「コミュニケーション力」「説明責任力」の5つの力(遠心力)と人間力(求心力)によって維持される組織でなければならない。

【組織文化の共有化】
 京都市のおかれている現在の状況を打開するための最大のポイントは、市長および職員全員が意識の共有化を図れることができるかどうかにかかっている。その意味で市長をはじめ幹部職員のリーダーシップが重要であることは当然であるが、組織の一員として職員一人ひとりが、「心」をひとつにできるかどうかである。
 私達は、組織における共有化として最も重要と思われるものとして「倫理の共有化」「責任の共有化」「行動の共有化」という3つの共有化を提起するものである。 このたびの「改革大綱」の推進にあっても「倫理」「責任」「行動」の共有化が、まさに三位 一体的に図れてこそ達成できるものと考える。

【組織文化の確立に向けた具体的方向】
 さらに私たちは、こうした本来の自治体のあるべき組織の文化を確立していくための具体的な取り組みとして重点的に次の政策施策を実現することを求めるものである。(以下の「今後取り組むべき改革事項」にも再掲)

■「(仮称)京都市職員の倫理確立のための行動推進計画(コンプライアンス行動推進計画)」の策定
●基本理念:公務員倫理確立のため服務規律の徹底や法令遵守を推進し行動することを基本理念および目的とする。
●計画年次:計画策定年次は、「改革大綱」の改革項目のほとんどが18年度中に実施されることから、それらの取り組みも検証しながら、平成19年度から実施項目も連動させ、平成19年度中に策定する。
●計画期間:推進行動する計画期間(スパン)は、京都市基本構想(2025年)や京都市新基本計画(2010年)および第2次推進プラン(〜2007)と連動させ、中長期計画を基本としながらも、市民の信頼回復を早期に実現することから、まずは5年とする。

■「(仮称)京都市コンプライアンス行動推進本部」の設置
●「改革大綱」を推進するために改革大綱推進本部が設置されているが、上記に提案している計画策定時に併せ、市長を本部長とする「(仮称)京都市コンプライアンス行動推進本部」に整理する。

■公務員倫理評価システムの構築
●公務員の倫理に関して、第三者機関の公務員倫理評価委員会の設置や評価基準マニュアルの策定、市民評価制度の導入など、点検・評価・検証できる仕組みとして公務員の倫理の現状を評価できるシステムを確立する。

■「(仮称)京都市職員倫理白書」の発行
●内部統制と不祥事防止及び服務規律等の取り組み情報を市民に公開するため「(仮称)京都市職員倫理白書」を年次的に発行し、説明責任を果 たす。

■「(仮称)京都市職員倫理評価条例」の制定
●市民協働の取り組みとなるための担保となる不祥事防止と公務員倫理の確立に向けた、「(仮称)京都市職員倫理評価条例」を制定する。


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