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■はじめに
近年京都市において多発している公務員の飲酒運転をはじめ覚醒剤使用やセクハラなどの公務外における不祥事の実態は、法令遵守すべき公務員の業務及び事務上の過誤からくる不祥事と異なり、公務員倫理の欠如や希薄化から発生しているというだけでなく、公務員倫理を論ずる以前の問題といわざるを得ない状況にある。こうした実態は全国自治体でも起こっており、今や公務員の倫理問題は社会問題化している。
わが国における公務員倫理確立のための対策は、許認可権限を有する公務員に関わって発覚した汚職や官政談合問題等を背景に、公務員倫理法や各自治体での条例制定など一定の対策が講じられ今日に至っているものの、今日的課題である公務外非行による不祥事の抜本対策は、全国的にも遅れている状況にある。こうした公務員の私生活まで管理及び指導しなければならない事態や社会状況は、異常と言わざるを得ず、また公務員の倫理を確保するための法整備をしなければならないわが国の状況を考えると、まさに「倫理の空洞化」となっており憂慮すべき事態である。
そもそも公務員の不祥事は、職員個人の倫理の無さから起こるものであることは当然であるが、不祥事が根絶できず、更に不祥事が続発しつづける傾向は、むしろ組織の隠ぺい体質や、いわゆる「事なかれ主義」とされる職員の責任回避の職場風土等が要因となっており、慣例の名のもとに人事及び組織の改革がなされないでいる「組織事件」として認識しなければならない。不祥事を根絶し組織を再生させるためには、まずは個々人に対する指導監督よりもむしろトップリーダーの使命と責任が極めて重要であることを知らねばならない。こうした倫理の空洞化にある現代社会に求められていることは、社会正義や倫理観を確立ならしめる哲学の復権であり、不祥事根絶に向けた抜本的な対策強化とともに、何よりもそのための改革を断行するリーダーの勇気と決断力である。
京都市では、本年度に入り逮捕者13名を出し、市長就任以来過去10年間で、逮捕者は100人にも上るという異常な事態となっている。市長は、毎年の年頭訓示で「不祥事根絶」を全職員に対し再三にわたり訴え服務規律の徹底をされてきた。とりわけ本年6月後半から7月末までを「服務規律等強化月間」と定め、全庁全職員上げて不祥事根絶に向けて取り組まれてきたが、その最中にあっても不祥事が続発したことはあきれるばかりである。
こうした京都市職員の覚醒剤使用、無免許運転、飲酒運転、手数料着服、生活保護関連費用横領、セクハラ、暴行など前代未聞ともいうべき不祥事の続発は、市民の信頼を大きく失墜させる結果
となり、今や京都市政は危機的な状況となっており、財政面だけでなく人事組織面
において「非常事態宣言」をせざるを得ない事態にまで達している。
こうした事態を重く受け止められた桝本市長は本年8月31日、不祥事根絶に向けて「信頼回復と再生のための抜本改革大綱」(以下「改革大綱」という)を発表するとともに改革実行体制としての「改革大綱推進本部」を設置し、服務規律の徹底と公務員倫理の確立に全力で取り組まれることとなった。
しかし解体的かつ抜本的な改革はまだ緒についたばかりで、市民の信頼回復までには相当の覚悟で取り組まなければならないものと考える
公務員倫理の確立は、自浄作用として内部改革は当然のこととして、現在においては「市民参加の改革」「現場からの改革」の視点がなければ到底達成できるものではない。また市政の再生と市民の信頼回復を成すには、議会とともに、車の両輪の如く改革を進めていくことが何よりも重要である。
こうした意味からも、議会の役割は一層重要となってくるものと私たちは認識している。
公明党京都市会議員団は、本年8月から不祥事調査のための臨時市会や調査特別
委員会において、徹底した原因究明と「改革大綱」推進のための課題について調査を行い、公務員倫理評価システムの確立、処分基準の見直し、不祥事根絶のための組織のあり方、人事管理や人材育成、現場第一主義や幹部率先垂範思想の徹底等、市民の目線に立った数多くの提言を行ってきた。そして現在、京都市会に新たに設置された「市民の信頼回復と服務規律に関する調査特別
委員会」においても不祥事根絶と公務員倫理の確立のために、あらゆる視点で「改革」への議論を先駆的な提言を行ってきている。
そこで私たち議員団は、市長が推進する「改革大綱」を一層強固なものとし、市民の信頼回復と市政再生を願う立場から、「改革」の視点と不祥事根絶に向けた各政策を整理するとともに、「『人間力』による組織文化の構築」という基本理念のもとに、組織に求められる確かな指標と改革の方向性を具体的に示した「市民の信頼回復と市政再生のための『京都市役所改革』」と題する提言を提出するものである。
桝本市長におかれては、下記の「京都市役所改革」の提言事項を真摯に取り入れ、京都市政の再生に向けて英断をもって取り組まれることを望むものである。
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