私の政策提言大道義知写真

 

本会議での質問原稿(全文)

●平成20年3月

 公明党の大道義知でございます。私は議員団を代表し、今般 上程されております平成20年度骨格予算案について、先の市長選挙を総括しながら、直面 する重要政策課題を中心に質疑を行います。会 派としては最後ですので、重複する質問もあるかと思いますがよろしくお願いいたします。
 まずは、改革と信頼、そして京都力を掲げ、未来の京都をつくるため、「進化するマニフェスト」によって、歴史と伝統ある第26代の京都市長にご就任されました門川新市長に対し、公明党を代表いたしまして心よりお祝いを申し上げる次第であります。
 私たちは、「子供に笑顔。若者に夢。そしてお年寄りに生きがいの持てる、未来の京都を」との 門川市長の訴えに共感し、自民党並びに民主・都みらい議員団の皆様をはじめ、「未来の京都を つくる会」に結集された多くの市民・各種団体の皆様と、共に汗し、選挙戦を戦い抜いてまいりました。茲に、ご支援を頂きました多くの市民の皆様に心から感謝と御礼を申し上げる次第でございます。

市長選挙総括
市民参加の新たな仕組づくりについて
進化するマニフェストについて
市役所改革について
新たな人材育成方針について
同和行政完全終結に向けた取り組みについて
道路行政について
低炭素社会の構築について
新しい景観政策の今後の戦略について
食の安全安心対策について



 
【市長選挙総括】
 はじめに市長選挙について一言申し上げます。 今回の選挙は社会全体が閉塞感に覆われている中、「京都のまち」をどう再生し、市民が安心できる 暮らしの未来ビジョンをどう描くことができるのか。また、厳しい地方財政の中、「改革の継承」か、それとも「路線変更・刷新」か。さらに、不祥事が相次ぐ中、市民の信頼を取り戻すための市役所改革が、できるかどうか。
 まさに「京都の未来を選択する選挙」であったと思います。しかし、このように極めて重要な選挙であったわけですが、結果 的には、38%足らずという、かつてない低投票率でありました。
 これは偏に、独善的な「正義」や、「あかんもんは、あかん」という単純なスローガンから生まれた低次元のネガティブキャンペーンによって、未来の京都を見据えた真摯な政策論争までに至らなかったことが、その原因であります。しかしその一方で政治への不信や不満からくる「しらけのメッセージ」が、少なからず、影響したことも見逃してはなりません。
 また庁内候補への批判や、さらには変化を求める有権者の意思が、非・門川票という形で、示された事実も直視しなければなりません。
 ともあれ結果的に京都の町衆は、国との連携と府市協調、そして多種多様な価値観を包含しながら合意形成で市政を推進することのできる門川市長を選択し、京都の未来を託したのであります。
 時代の大きな転換期にあって、住民のニーズは「地方自治」から「市民自治」へと急速に向かってきており、またそれに呼応して地方政治や議員も、変革が求められております。
 市長にはこうした時代認識のもとに、今回の選挙における「町衆の民意」と「政治の動向」を、冷静に受け止め、未来の京都をつくるための礎にしていただきたいと思うのであります。
 「未来とは、理想そして希望の異名である。賢明にして勇敢な選択によって、時代を変え、未来を創ることができる」という識者の言葉があります。桝本市政を支えてきた私達としても、希望と安心の京都をつくるため今後も理想に燃え、そして勇敢に、改革の先頭に立って奮闘することを市民に皆様にお誓いする次第であります。市長におかれても、どうか高い理想と勇敢なるリーダーシップによって、「希望ある京都の未来」を実現していっていただきたいことを、心より念願する次第であります。
 さて、市政運営のスタートに当たっては、その舵取りに必要な羅針盤とも言うべき「新たな都市戦略」が求められることは言うまでもありません。市長は、未来の京都を実現するための政策指標として「いのち」「環境」「知恵」「ひと」「刷新」の5つの指標を示されました。そして地域力、文化力、人間力という京都の持つ本源的な力である「京都力」によって、未来の京都を創り上げようとされております。今後の時代ニーズを見据えた確かな政策指標だと高く評価するものであります。しかしそれを具現化していくためのスピード感のある取組みが今求められております。
 私はその意味で、門川市政の第一年目となる平成20年度は、極めて重要な年になると思うのであります。 平成23年度からスタートする次期基本計画の策定準備作業はすぐにでも着手しなければなりません。また桝本前市長が今日まで取り組まれてきた「第二次推進プラン」や「市政改革実行プラン」、そして「財政健全化プラン」の3つのプランはいずれも平成20年度に終了することになっています。市政の推進に空白があってはなりません。
 この度、市長はマニフェストで、市民参加協働型の「未来のまちづくり100人委員会」の設置と、京都の未来ビジョンとなる「未来のまちづくりプラン」の策定を公約されました。今後の積極的な取り組みをお願いするものであります。
 
【市民参加の新たな仕組づくりについて】
 そこでこの「未来のまちづくりプラン」を策定しそれを推進していくために不可欠な「市民参加の新たな仕組みづくり」について、市長にお尋ねいたします。
 今回の選挙において、各候補者から出されたマニフェストの評価の中では、「市民参加協働の具体化に乏しい」という識者の声が多く見受けられました。幸いに市長は、「未来の京都は、市民一人ひとりと、夢や誇り、責任、行動、そして成果 も共有できる『京都力』に満ちあふれた町」と、あるべき都市像を示し、それを実現するために、市民と共に汗するという「共汗」という新たなモットーを示されています。また「おむすびミーティング」や「市民共汗サポーター制度」も提案されるなど、市民参加協働の新たな取組に対し大いに期待をしているところであります。 
もとより市民参加推進のためには、広報と広聴の往復作業が不可欠であることは言うまでもありませんが、これからは特に広聴に力点を置く時代に入ったと言われております。最近、各自治体でも審議会やパブリックコメント等、市民参加の取組みの中で、広報広聴の固定化現象に頭を悩ませており、時代に対応するため、若者や勤労者等、「黙する大衆」と言われる所謂サイレント・マジョリティ対策が急務となっているようであります。
 桝本前市長時代には、市民参加推進条例が策定されましたが、策定時と現在の時代状況を比較すると、時代の急速な変化によって市民ニーズも、大きく変化しており、時代を見据えた市民参加の新たな仕組みづくりに挑戦しなければならない時にきていると思うのであります。その一つが先ほど述べたサイレントマジョリティ対策であり、新たな視点での広聴対策であり、さらにもうひとつが市民参加推進の状況を評価検証できる仕組みづくりであると考えます。
 私は行政改革や新景観政策の論議の際にも、市民の視点で、その事業を評価検証するシステムの構築の必要性を訴えてまいりましたが、市民参加推進においても同様に思っております。また市民参加は、単に行政だけでなく、議会においても必要な視点であります。私たちは、今日まで、情報公開を進める中で議会の市民参加促進を図ってまいりましたが、今後も出前議会や公聴会の実施など市民参加協働型で議会の改革を進めていく決意であります。
 新たな市民参加のあり方が問われている今、市長が取組むべきことは、議会とも連携しながら、市民の市政参画の促進と、市民参加の推進状況を評価検証するための新たな仕組みづくりであり、さらにそれを担保するための市民参加推進評価の条例化であると私は考えます。そこで市長にお尋ねいたします。サイレント・マジョリティ対策を含む「市民参加の新たな取り組み」方針と、市民参加推進の評価検証のための、条例化について市長のご所見をお聞かせください。
 
【進化するマニフェストについて】
 次に、門川市長の公約である「進化するマニフェスト」についてお尋ねいたします。
 言うまでもなく、マニフェストは、政策目標とその実現への手順、財源、達成時期等を具体的な数値で明記した選挙公約集であります。
 今回の市長のマニフェストは、庁内出身者だけあって、具体性と専門性に富んだ政策が掲げられております。そこでまず今回のマニフェストに掲げられた124項目の実現に向けた財政見通 しは、どれだけの規模になるのか具体的数値を上げお示しください。実現に向けた推進体制とあわせてまず答弁を求めます。
 また、今回の選挙では若者の政治参加を目的に市民が市長に求める「逆マニフェスト」が話題になりましたが、政策や公約の立案段階から推進そして検証、達成まで、市民が参加し協働するマニフェストが求められている時代であります。その意味でマニフェストの進捗状況の評価検証、そして公表できるシステムの構築はきわめて重要な課題であると考えます。そこで市長は、この「進化するマニフェスト」の実現過程で、どのような市民協働の仕組みづくりを確立されていかれるのか。今後の具体的取組み方針についてお答ください。
 
【市役所改革について】
 次に、「市役所改革」について2点お尋ねします。 「庁内候補では、市役所の刷新はできない」との、意見も一部ありましたが、私たちは、門川市長が教育長時代から強いリーダーシップのもとで日本に誇れる教育改革を成し遂げてこられた実績を、高く評価し市長に推挙したのであります。それゆえに、新市長の市役所改革には大いに期待と注目をしているところであります。
 選挙中「不祥事根絶と同和行政不信の解消を1年以内に実行する」と市民に表明された門川市長にとって、「市役所改革」は、まさにこの1年が正念場であると言えます。私たち議員団は、不祥事根絶には、「人間力による組織文化の構築」が不可欠であるとの認識から、意識の改革をはじめ制度・組織・人事・業務の5つの改革方向と、具体的改革項目を示した「京都市役所改革提言」を一昨年秋、当時の桝本市長に提出し、今日まで不祥事根絶に向けた様々な提言を行ってまいりました。
 市長は「リンゲルマン効果」という概念をご存じでしょうか。これはフランスの心理学者であるリンゲルマンが行った綱引きによる実験で、一人で綱を引く場合と、大勢で綱を引く場合とでは、力の出し方がどう違っていくかを調べた結果 導き出された法則であります。一人の時に出す力を100とすると、2人で引くと93%、3人で引くと85%、8人で引く場合には、実に49%になってしまうという法則です。人数が増えれば増えるほど1人の出す力が減っていく現象で、心理学用語ではこれを「社会的手抜き」と言っております。今の京都市には、それとは逆に、不祥事根絶と倫理確立のため、創造力と責任感のある一騎当千の人材と、手抜きのない使命感の漲った組織が求められています。
 私たちは提言の中で、「倫理」と「責任」と「行動」を共に共有できる組織の構築を訴え、そして不祥事が起きない組織文化を構築する具体策として、コンプライアンスいわゆる公務員倫理確立のための条例化をはじめ、行動計画の策定、倫理評価の制度化を、提言してまいりました。
 一昨年8月に策定された「抜本改革大綱」は、当時起こった職員不祥事を背景にした緊急対応であったことは否めません。またその後保育料や市営住宅家賃の滞納問題や、服喪休暇取得の実態が明るみになる中、本市は、服務監の陣頭指揮のもと抜本改革大綱を強化されてきたことも十分に承知しております。
 しかし「1年以内に実行する」との市長の強い決意を具現化するには、現在の「大綱」を見直し、環境局の業務改革とは分離し、公務員倫理確立のための取組へと進化させていくことが必要ではないかと考えます。コンプライアンス条例及び行動推進計画の策定時期と、不祥事根絶に向けた体制整備について、市長の答弁を求めるものであります。
 
【新たな人材育成方針について】
 市役所改革の2点目は、「新たな人材育成方針」についてであります。
 変革の時代には、過去の延長線で物事を考え行動するのではなく、革新的創造力を持って問題を戦略的に解決できる所謂「ビジョン戦略型の人材」が求められています。人材開発の専門家は、ビジョン戦略型人材に必要な能力として、高度な専門力・先見力・ビジョン創造力・プロデュース力・経営力・大局的視点そして倫理観の8つを指摘しております。
 しかしそれにも増して重要なことは、それらの能力を育成するトップの意識改革であると指摘しているのであります。
 本市の人材育成は、最近では平成13年度策定の「人材活性化基本方針」をもとに、5ケ年計画で取組まれてきております。その後、平成18年度に策定された平成22年度までの「人材育成方針」は、現在、22の取組み施策の内、19項目がすでに実施済みと伺っております。しかし門川市政がスタートした今、私は現在の人材育成方針を見直し、新市長の人材育成に賭ける熱い思いが盛り込まれた、「新たな人材育成方針」を早期に策定し実施すべきと考えます。
 その場合、時代が知識創造社会へ向かう中で、職員の人材育成方針についても市役所内部だけの検討プロセスだけでなく、市民の知恵も活用するなど、市民協働型の人材育成方針とすべきであります。市長の答弁を求めます。
 
【同和行政完全終結に向けた取り組みについて】
 次に、人権同和問題についてお尋ねいたします。
 「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利とについて平等である」と謳われた世界人権宣言採択から、今年は60年という節目に当たります。
 昨年末の世界人権デーに寄せて潘基文(ばん・ぎむん)国連事務総長は、「宣言に謳われた基本的自由は今なおすべての人々の手に至らず」と指摘している通 り、残念ながら60年が経過した今も国内外で起っている差別の実態は、今だ多くの克服すべき課題が横たわっていることを物語っております。
 国連は、本年「私たち全員のための尊厳の正義」をテーマに、1年間かけて世界各地で60周年キャンペーンを展開し、各国政府や国際NGOにも参加を呼び掛けております。
 ここ京都においても、この秋、国・府・京都市が連携し、人権啓発フェスティバルが開催されると伺っておりますが、私はぜひとも京都から全世界に発信できる有意義な取組にしていただきたいと、願っているところであります。
 さて私たちは、一昨年の秋、不祥事問題を契機として府本部内に、「プロジェクトチーム」を立ち上げ、京都における当面 の重要課題のひとつとして同和問題について調査研究をスタートさせ、今年1月には「人権同和問題の今後についての提言」としてまとめ上げたところであります。
 その提言の柱は、学識者及び関係団体をはじめ市民参加による「同和行政完全終結に向けた市民会議」の設置と、「自立促進援助金」支給制度の廃止を含めた抜本見直しの2つであります。
 日本の歴史的背景から生じた同和問題は今日まで我が国における大きな人権問題として、様々な課題を提起してきました。確かに水平社宣言を大きな発端として完全解放の叫びは全国へと広がる中で、国を動かし、法整備が成され、その結果 、旧同和地区住民の生活環境は、大きく、改善されていったことは事実であります。しかしこうした完全解放を目指した輝かしい人権闘争という「光」の側面 がある一方で、長年の同和施策の数々が、逆に自立を阻害し、それがやがて利権や不祥事件へと、発展していった「影」の側面 も否定できないのであります。
 さらに同和問題の歴史が、常に「対決の構図」から脱却できず、ともすれば政争の具として利用されてきたことも、完全終結を遅らせた原因のひとつでもあると私は思うのであります。
 こうした歴史的経過を踏まえながらも桝本前市長就任以降、本市の同和行政は事実の上で大きく改善されてきました。そして今京都市は、真に同和行政の完全終結ができるかどうかという、大きな分水嶺に、立っていると思うのであります。
 今、門川市長が成すべきことは、完全終結と人権差別解決に向けて、市民の誰もが広く人権同和問題と向き合える「開かれた対話」のステージを用意することであり、市民協働で抜本改革を断行することであります。その意味で、この度、市長が、「同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会」の設置を約束されたことや、自立促進援助金の本年度分の執行を留保し、また来年度予算案にも計上を見送られたことは、市長の同和行政完全終結への並々ならぬ 決意の表れであると高く評価するとともに、今後に取組に大いなる期待をしているところであります。
 総点検委員会は、今年度内に設置要綱を策定し、新年度から1年かけて議論をされていかれると伺っております。今後、今日までの同和行政の課題をしっかりと議論していただきたいと思いますが、とりわけ本市の自立促進援助金については、最優先で議論し、第4次訴訟の結果 を待つまでもなく市民の誰もが納得できる結論を早期に出すべきと考えます。その上で、私たちが考える次の重要課題は、総点検委員会の議論の結果 を受けた抜本改革後の対応であります。同和施策の廃止や是正、見直しは大前提ですが、制度の改革だけでは、人権問題としての同和問題は根本的には解決しない、という事を深く認識しなければならないということであります。
 こうした観点から私は総点検委員会で得られた対話のステージを第三者評価機能を有した市民会議へと発展させ、一般 施策化された事業も含め、人権文化推進のための事業の進行管理と、それを市民や議会にも報告公表できる体制で取組むべきと考えます。今後の取組について具体的にお答えください。
 
【道路行政について】
 次に、本市の道路行政についてお尋ねいたします。
 今、道路特定財源となるガソリン税等の、暫定税率の維持を柱とした租税特別 措置関連法案いわゆる歳入法案の行方が、注目されております。
 「総予算及び歳入法案について年度内に一定の結論を得る」との衆参両院議長のあっせん案が確認されたとは言え、この年度末、誠に不透明な状況となっております。
 地方にとって道路特定財源は、災害や救急医療時の「命の道」を確保し、交通 渋滞の解消をはじめ、通学路の安全対策、歩道のバリフリー化、電線類地中化など、市民生活には欠かすことのできない都市基盤整備に必要な財源であります。
 また、道路整備後は、市民の財産となるため、その効果を検証するアセットマネジメントのもと、将来にわたる維持管理経費としても確保しなければならない重要なものであります。
 本市における道路特定財源の予算は、ガソリン税、石油ガス税、自動車重量 税並びに軽油引取税、自動車取得税が、いったん国税や府税として徴収され、のちに地方譲与税および府税交付金の形で歳入に当てられております。 昨日も答弁がありましたが、平成20年度骨格予算では180億円の道路特定財源の歳入が見込まれていますが、仮にも暫定税率が期限切れとなれば106億円の減収見込みとなり、さらに肉付補正後の見通 しでも約130億円の減少と推計されており、地方財政に深刻な影響を及ぼすことが予想されます。併せて今回その他輸入食品の関税の税制改正法案も関連しておりますから、市民生活や地域経済に大きな混乱をきたすことは明白であります。 こうした声を反映して全国の地方自治体では本年1月よりこぞって暫定税率の維持を求める行動を展開されています。
 今求められていることは、道路特定財源の維持確保の必要性を、市長ご自身が国に要望することはもちろんのこと、市民にも理解してもらえるよう、本市における道路整備の将来計画を策定し、その財政見通 しを定期的に公表する等、道路行政の中身と税金の使途を明らかにすることだと考えます。
 そこでお尋ねをいたします。道路特定財源は、暫定税率の5年スパンを基本に、5ヶ年の道路整備計画に基づいておりましたが今回から、10ヵ年の道路中期計画とし、必要な費用として59兆円を見込んでおります。京都市における道路中期計画及び5ヵ年計画の財政見通 しは、どのようになっているのか。道路特定財源に対する思いと、将来道路計画の策定と公表等、本市の今後の道路行政についてお答えください。
 
【低炭素社会の構築について】
 次に、「低炭素社会」構築に向けた取組についてお尋ねいたします。
 本年は、COP3京都会議で採択された議定書の「排出の抑制及び削減に関する数量 化された約束に係る」第1回目の期間のスタートの年に当っています。また、科学的検証で地球温暖化を警告し昨年ノーベル平和賞を受賞した「気候変動に関する政府間パネル」いわゆる「IPCC」の発足20年の節目でもあります。
 このIPCCが、昨年2月に発表した第4次評価報告書をきっかけに、地球温暖化対策は、対策という段階から更に一歩進み、適応策という段階に入ったと言われております。もちろん温暖化の防止は、温室効果 ガスの排出削減への取り組みが大前提でありますが、すでに様々な温暖化の影響が出始めている上に、過去の排出によって一定の温暖化は避けることができず、さらに気温の上昇とともに、影響が増大していくことから、早期の影響の多くは適応を通 じて効果的に立ち向かうことができると報告書は指摘しているのであります。事実、先進諸国では、地方自治体が建設する学校や病院等の公共施設が気候変動に対応できるように建築ガイドラインを定めたり、温暖化で最も影響を受けやすいと言われる高齢者や子供たち等、いわゆる「環境弱者」対策にも取組むなど、適応への動きが始まっています。
 その意味で、環境先進都市を標榜する本市においても、持続可能な社会構築に向け、先進的な取組みを積極的に検討してほしいと願っております。持続可能な社会の構築には低炭素社会と、循環型社会そして、自然共生社会へ向けた重層的な取組みが求められることは言うまでもありません。その中で「低炭素社会」とは、地球温暖化の原因である温室効果 ガスの削減に向けて、経済・技術・産業、行政、国民のすべてが削減のための取組みを連携して行動する中で二酸化炭素が、最小最低限に止り実現される環境社会のことで、それに向けての社会システムの転換が望まれているのであります。
 我が国においても、昨年6月に閣議決定された政府の「21世紀環境立国戦略」に、位 置づけられた「低炭素社会への転換」に向けた取り組みが具体化しつつあり、政府はこのほど、ライフスタイル、都市や交通 のあり方等社会の仕組みを根本から変えるため、先駆的な取り組みにチャレンジする都市を「環境モデル都市」として10ヶ所選定することを打ち出しました。昨日の答弁でもこの「環境モデル都市」の選定に向けて積極的な市長の決意を伺いましたが、ぜひともがんばっていただきたいと思います。
 しかしそのためには、京都の特性を十分に生かした具体的なプログラムの提案が不可欠であります。
 市長は、「環境モデル都市」選定に向けて、どのような低炭素社会への転換プログラムを検討され提案されるのか、お答えください。また私は環境問題においては、上からの政策の押し付けではなく、個人や家庭の所謂「草の根」レベルの取組みが何よりも重要であると思っております。 市長はマニフェストでも、環境家計簿の活用等の取組みを積極的に提案されておりますが、私は、今後の環境政策の推進には、地域のコミュニティの形成が、一層重要になってくるものと思います。そこで私は家庭や家族という言わば点としての「環境家計簿」の取り組みを、面 として一歩進化させ、お隣りご近所レベルで、地球温暖化やごみの減量化など、環境意識の共有化を図るため、「環境回覧板」という制度を創設してはどうかと思うのであります。
 回覧版は、地域コミィニティを形成してきた言わば京都町衆の知恵であり、情報の共有化とコミュニティ再生を推進できる古くて新しいツールではないかと思います。まさに「ご近所の底力」が期待できるものであります。地球温暖化対策を軸としたコミュニティを地域レベルで形成誘導していくことは、温室効果 ガス削減に向けて効果的な取組ではないかと考えます。いかがですか、お答えください。

 
【新しい景観政策の今後の戦略について】
 次に、ちょうど一年前の議会で大論議となり50年後、100年後の京都を見据えてスタートした 「新景観政策」の今後の戦略についてお尋ねいたします。
 都市の品格と文化力を高めることの具体策として制定された新景観政策は、「進化する景観政策」と言われる通 り、今後の取り組み如何にかかっていると言っても過言ではありません。私は景観政策の基本は、「ひと」であり、いくら美しい景観を誘導し形成したとしても、そこに生活する町衆の息づかいがなければ、まさに絵に書いた餅であり、京都の未来はないと思っております。私たち議員団は昨年4月以降、「市民による景観づくり」をテーマに、まちづくりの専門家や学識者を交えた政策研究活動を展開しているところでありますが、 昨年の議会での議論や私たちの今日までの政策研究で明らかになった課題のひとつは、「高さ」ばかりの議論が先行した昨年の議論から脱却し、京町家再生プログラムの具体化とそれを支援するための国家戦略の枠を超えた世界戦略の必要性であります。京都は、言うまでもなく世界レベルの文化歴史都市であります。世界遺産ともいうべき京都の景観や文化が保持されることは、京都市民だけでなく、京都を愛する世界の人々の願望でもありましょう。
 しかしながら、この京町家が生み出す文化を保持継承していくためには、京町家再生プログラムも重要でありますが、何よりもそれを支援するための資金調達が大きな課題となっています。 そこで私は、京都をこよなく愛する世界の方々にも参画していただく世界戦略が必要ではないかと思うのであります。折しも、本年秋に、ニューヨークで「京町家再生シンポジウム」が開催されると伺っております。市長も率先して参加すべきではないでしょうか。そして、世界を舞台にした「京町家支援ネットワーク」を構築すべきと考えますがいかがですか。
 さらにもうひとつの課題は新景観政策によって未来の京都のまちがどのように形成されていくのかという「未来予想図」の必要性であります。
 桝本前市長は、50年先100年先の目標を示されましたが、門川市長の使命は、この目標に到達するため、せめて10年単位 ぐらいをスパンとした「京都景観ロードマップ」とも言うべき「景観形成の年次的な行程表」を策定し、市民に示すことだと考えます。市長の答弁を求めます。
 
【食の安全安心対策について】
 最後に食の安全安心対策についてお尋ねいたします。
 食文化は、あくまで食の安全性の上に成り立っているものでありますが、昨今毎日のように報道される食品に関する不祥事の数々は、食文化の危機的な状況を作り出しています。偽装問題が常態化する中、過日の中国製冷凍食品の一連の事件から京都市民も食の安全性に対し、一層関心が高まっているようであります。今回の事件発生を受けた市の対応は、緊急時の備えとして高性能の検査機器を購入されていたことで、迅速に対応できたようであります。しかしながら市民の命に関わる食の安心安全を今後一層確保するためには、保健所を核とした市民への情報提供や市民からの相談体制の強化とともに、職員の権限強化による検査体制の充実強化が求められるところであります。今後どのような体制で臨まれるのか、お答ください。
 また、食の安全安心対策は、行政だけでなく、食品の製造・流通・販売関連企業にも積極的に取り組んでいただくことが重要であります。本市では食品関連事業者のモラル向上と、自主的な衛生管理を推進する目的で「京(みやこ)食の安全衛生管理認証制度」を独自で制度化されておりますが、認証取得企業は今だ少数であり、年次的な目標数値を立てて取組むなど、積極的な普及啓発活動を強く望むものであります。
 さらに、食の安全安心対策は市民の生命と健康を守る市政の最重要課題であります。食の安全安心を実現するためには、生産者から消費者まですべての人が、食品の安全性に関する情報を共有化することが重要であり、それを確保するための具体策を、行政・事業者・市民すべてが協力して取組むことが何よりも大切であります。
 その意味で、京都府や名古屋市ですでに条例化されている「食の安全安心条例」を本市でも制定する時に来ているのではないかと考えます。
 「食の安全安心の条例化」について市長の積極的な答弁を求めます。

 最後になりますが、今日、3月7日は、消防組織法が施行され我が国自治体の消防制度が発足してから60周年を迎える消防記念日でありますが、時間の関係で、市民の命と財産を守る消防局に質疑ができなかったのが残念であります。京都市長には、147万市民の命と財産を守りぬ く責任があります。そして147万京都市民が幸せになるための市政の舵取りを、最後まで責任を持って全うしていただかなければならない使命があります。
 私は市長には、ぜひとも3つの目、3つの視点を肝に銘じ市政の舵取りをしていただきたいと願っております。一つは、「鳥の目」、二つには「虫の目」、三つには「魚の目」であります。鳥の目とは、鳥が空から地上を見るように歴史的、文明的な広い視野から来るべき時代を見据えるいわば「先見力」と言えるものです。また虫の目とは、小さい蟻が地面 を細かく動くように、その時代に生活する庶民大衆の立場から時代を見据えるいわば現場力といえるものです。さらに魚の目とは、魚が水の流れや潮の満ち干を感じるように、時代の急速な流れを読み取る敏感力といえるものであります。どうか、門川市長におかれましては、この先見力、現場力、敏感力の3つの視点に立脚し、あるべき未来の方向を決して見失うことなく、市政の舵取りに、ご尽力いただきますことを最後に念願し、私の質疑を終わります 。

 


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