私の政策提言大道義知写真

 

本会議での質問原稿(全文)

●平成6年 5月

 私は、公明党市会議員団を代表いたしまして、同僚の永嶋議員に引き続き市政一般について質問いたします。まだまだ不勉強でございますけれども、市長並びに関係理事者におかれましては何とぞ誠意ある御答弁をお願いするものであります

放置自転車対策について
放置自転車総合計画の策定について
放置自転車の有効利用促進について
レンタサイクルの実施について
痴呆性老人対策(グループホーム)について
大都市特例による精神保健行政について



 
【放置自転車対策について】

 まず初めに放置自転車対策についてお尋ねいたします。駅周辺に放置された自転車が道路や歩道をふさぎ交通や歩行の妨げとなっているいわゆる銀輪公害が社会問題となってから20年近くなります。自転車を利用する人が増え始めたのは昭和45年ごろからで、その原因は、所得の増加に伴い自転車の値段が相対的に安くなり購入しやすくなったことや、道路混雑などによってバス離れが生じたためであると言われています。こうした中で昭和55年には自転車の安全利用の促進及び自転車駐輪場の整備に関する法律いわゆる自転車法が制定されました。これに伴い多くの自治体では自転車問題を環境美化問題としてとらえ、駐輪場の整備や放置自転車の撤去などを行い一定の成果を上げてきておりますが、近年地価の高騰により駐輪場の整備が追い付かず、実際には放置自転車の撤去を中心とした対応にとどまってきたのが実情のようであります。

 本市においても昭和60年4月に京都市自転車放置防止条例を施行し、道路、公園その他の公共の場所の機能を高め良好な都市環境をつくることを目的として、市内の主要ターミナル10か所を中心に自転車撤去強化区域を指定し、更に20の区域外主要箇所を定めその対策に努めてこられましたが、返還率を見てもここ数年50パーセント弱であり、放置自転車の撤去台数は昭和60年以降毎年平均2.4パーセント増となっており、一向に対策強化の成果が見えないのであります。

 このように放置自転車問題がなかなか解決できなかったのは様々な要因があると思いますが、私は、自転車法そのものに問題があったと言わざるを得ないと思っております。すなわちこの法律が議員立法でもあったことから理念規定にとどまり、規制等の内容や自転車問題に対する国の姿勢が不明確であったことが第1の理由として挙げられます。特に法律の規定が不明確であったのは鉄道会社との協議義務の問題であります。すなわち百貨店、スーパーなどの大型商業施設には条例等で駐輪場の設置を義務付けられていますが、鉄道事業者には協議義務の規定があいまいであったことから、鉄道事業者の対応は従来から極めて消極的であったと言わざるを得ないのであります。また第2の理由は、対策そのものを市町村に任せ、国や都道府県の関与が希薄であったため各自治体によって対応がまちまちであったことであります。

 こうした状況の中、昨年12月に自転車法が13年ぶりに改正され、いよいよ本年6月には施行されることとなりました。改正のポイントの一つは、自転車等の駐車対策の総合的な推進を図るため、新たに原動機付自転車も対象に入れることになったこと。二つには、各自治体が組織する自転車等駐車対策協議会に鉄道事業者を参加させ、自治体独自で策定する駐車対策の総合計画の中で鉄道事業者の講ずる措置を定め、従来対応が消極的であった鉄道事業者を協議のテーブルに着かせることができることになったことにあります。

 現在運輸省も法律の施行に合わせて鉄道事業者に自治体との協議や整備計画策定などに積極的にかかわるように促す方針を立てているようであります。更に今回の法改正によって、撤去自転車の保管、廃棄などの処分や、それに要した費用の徴収に法的根拠が与えられました。旧法ではこうした措置についての規定がなかったため、多くの自治体では条例によって対応してきましたが、この規定の整備により放置自転車対策が更に前進することが期待されています
 
【放置自転車総合計画の策定について】

 そこでまず第1に、放置自転車対策の総合計画の策定についてお尋ねいたします。新京都市基本計画の中では、総合交通体系の確立と廃棄物の処理の項目の中で放置自転車対策の強化がうたわれておりますが、今までの本市の傾向や地下鉄東西線の完成後のことを考えますと、各ターミナルにおける放置自転車はますます増加することが予想されます。先に述べましたように国の動きを十分に踏まえ、従来の条例に基づく対策を抜本的に見直し、鉄道事業者を含む協議会を設置して、本市独自の放置自転車対策の総合計画を早急に策定する必要があると考えますが、どのように対応されるおつもりか具体的にお示し願いたいと思います
 
【放置自転車の有効利用促進について】

 第2に、撤去し廃棄処分している放置自転車の有効活用についてお尋ねいたします。私ども公明党が以前から強く要望してまいりました廃品としてスクラップしている自転車を留学生などに譲渡し有効活用を図ることは、この秋の事業化に向けて大きく前進いたしました。私は更に有効活用の一つとして作業指導や機能回復訓練などの教材用として、精神障害者などの授産施設や共同作業所へこうした自転車を譲渡してはどうかということを提案したいと思います。実際に本市における二、三の作業所で他都市から譲り受けた自転車を分解したり、また組み立てたりして活用する中で機能回復訓練に一定の成果を上げている所があります。御所見をお聞かせ願いたいと思います。
 
【レンタサイクルの実施について】

 第3に、放置自転車対策の一助としてレンタルサイクルシステム、いわゆる貸自転車制度導入と公共駐輪場の全有料化の考えについてお尋ねしたいと思います。先進的な取組をしている東京都練馬区では、自転車問題を環境美化問題ではなく交通問題としてもとらえ、平成3年に自転車利用基本計画を策定し総合的な施策を打ち出しています。その内容は、一つには駐輪場の無料化が駅周辺への自転車の乗入れを加速させたという反省から、駐輪場を有料化し適正な利用料金を徴収することで自転車、バス、徒歩のバランスをとること。二つには、自転車利用にはバス交通を補完する公的交通手段とドア・ツー・ドアの私的交通手段という二つの特徴があることに着目し、公的交通手段の部分を貸自転車制度の導入によって整備しようとするものであります。

 このシステムは、自宅から駅、また駅から通勤先をつなぐ交通として貸自転車を利用する制度で、ある人が朝、自宅から駅まで乗ってきた自転車を別の人が駅から通勤先まで利用して1台の自転車を重複して利用することによって自転車の有効利用を図ろうというものであります。また自転車の利用者が特定されないため、通常の駐輪場のように通路部分を取る必要がなく用地の有効活用が可能になります。既に埼玉県上尾市や神奈川県平塚市をはじめ各地で実施されています。

 今や国民の2人に1台の割合で自転車が普及した現在、自転車利用を規制するのは限界があります。自転車問題を交通問題、都市問題としてとらえ、貸自転車制度を導入し、本市として総合的な対策を立て取り組むことが重要だと考えますが御所見をお聞かせ願いたいと思います。併せて公共駐輪場の無料化が放置自転車を増加させたとの考えから、本市駐輪場の全有料化についてもお考えをお聞かせ願いたいと思います
 
【痴呆性老人対策(グループホーム)について】

 次に痴呆性老人対策についてお尋ねいたします。現在、医療技術の進歩によって痴呆性老人の対策にも明るい兆しが見え始めていますが、どちらかといえば今までの我が国の痴呆性老人対策は家族対策、すなわち介護に疲れた家族を救うことに重点が置かれがちで、痴呆性老人本人にとって快適な環境が保障されているかといえば、必ずしもそうとは言えない現実があると思います。私は、平成4年9月の本会議でこの問題を家族対策の視点に立って取り上げましたが、今回は少し視点を変え、ケアの主役はあくまで本人自身でなくてはならないとの思いから、痴呆性老人の視点に立って質問したいと思います。

 一般に痴呆性疾患は専門医師の診断を必要とすることから、患者数の把握や適切な治療などに困難を来すものとされてきましたが、研究も年々進み、アルツハイマー老年痴呆、脳血管性痴呆だけでなく、最近では糖尿病や高血圧などの合併症による混合型痴呆や、主に薬などによって老人性痴呆の症状が出る医原性痴呆や薬剤性痴呆、またパーキンソン病など痴呆性老人疾患の分類が細分化されるようになってまいりました。更に身体、環境、心理の三つが痴呆の要因として挙げられ、その痴呆評価の尺度として物忘れなどが激しくなる初期、徘徊などが見られるようになる中期、そしていよいよ動くこともできなくなる後期に大別されています。これら痴呆性疾患における脳の障害そのものは良くなることはなく、この病気を治すことはできないとされながらも、その速度や症状を和らげ、問題行動を防ぎ、本人と家族の生活の質や安心感の向上をもたらすことは可能だと言われています。

 現実の問題として介護する側から見れば、初期においては家族などの在宅ケアで対応できるとしても、家族にとって最も辛く負担も大きくなるのがこの中期なのであります。ところが中期における適切なサービスがいまだ我が国においては現実には用意されていないのであります。このことは痴呆性老人の介護において一番大切な時期を援助せず、末期になってから手を差し伸べるという現在の日本の医療体制そのものを如実に物語っていると思います。私は、この中期における介護の在り方が痴呆の進行や症状を和らげ、本人の幸福感を高めることができるか、あるいはそれとも悲惨と苦痛の日々となるかを決定付けるものとなり、更にその後の後期の在り方をも方向付けるものとなると思うのであります。

 高齢国スウェーデンでは、こうした痴呆症中期の老人対策として、グループホームというものをその施設に充てており、既に実験段階から普及段階に至っているとのことであります。またアメリカにおいても、普通の民家を改造したボーディングケアという名称のグループホーム同様の施設が普及しており、痴呆への効果が明らかになっているとのことであります。グループホームとは、痴呆性老人の生活の場として、痴呆性老人とその生活を援助する者が小集団を形成して共同体的な生活を営む場を言います。そして空間としての場と親しい人間関係としての和みの関係を確保するとともに、可能な限り普通の家庭生活に近い日常生活を作り出し、その家庭的な雰囲気の中で訓練を受けた専門職による適切なケアを受けることによって痴呆性老人が安定した落ち着いた生活を回復できるように図っていくものであります。

 昭和58年、精神障害者向けのグループホームでスタートし、現在痴呆性グループホームで多くの成果を上げている秋田県の今村病院は、平成4年度に国の老人保健推進事業の一環として痴呆性老人本人248人とその家族248組を対象に、痴呆性老人とその家族は一体何を求めているかというアンケート方式による研究結果を報告しています。

 それによりますと、今後の老後の選択を家族に任せるかとの問いに61パーセントの痴呆性老人が自分で選択すると答えられ、老後を過ごす場所としてどこを選ぶかとの問いには83パーセントが自宅と答えられています。また痴呆性老人の79パーセントがグループホームを希望しておられるなど、痴呆性老人自身が自分の老後は自分で選びたいと考えておられる実態が浮き彫りになっています。

 ここで重要なことは、痴呆性老人自身が自分の老後は家族的、家庭的環境の中で暮らしていきたいと考えられているということであり、たとえ痴呆性疾患となっても、自分の人生を可能な限り穏やかな美しいものにしたいと願っているという事実であろうかと思います。先日、国連の国際家族年を契機として、私ども公明党京都府本部女性局が京都在住の20代から60代までの女性2000人を対象に行った我が家族・我が家庭の意識調査でも、老後を誰に介護してもらいたいかとの問いに83.9パーセントの女性が施設よりも家族的な介護を志向している実態が浮かび上がりました。

 この結果からも分かるように、今、日本の痴呆性老人に対する施設介護に一番欠けているものは、施設か在宅かという議論ではなく、施設を在宅として整備することであり、言い換えれば施設で介護が必要な人には施設内で在宅介護が受けられるようにすることであります。種々の研究結果でも、痴呆性疾患の中期段階において施設介護の中に家族的介護を中心とするグループホームケアを導入することによって、その後に起こり得る身体的、心理的あるいは社会的危機を回避することができるとともに、自立して生活できる期間を延長することが可能であると指摘しています。その意味でグループホームは現在の医療福祉制度に欠けている初期、中期へのサービスを充実させる極めて重要な施設であり、21世紀の日本の高齢者ケアの一つのモデルであると考えております。

 近年、我が国においても知的障害者や精神障害者の社会復帰と地域社会への定着を図る施策の中でグループホームが事業化されてきているところでありますが、痴呆性老人対策の分野においてはいまだに本格的な取組がなされていません。しかし厚生省もモデル事業として徐々に動き始めているようであります。本市においては本年度、痴呆性老人専用の通所によるデイサービスE型がスタートしましたが、いまだ不十分の感が否めません。私は、痴呆性老人対策として最も充実した施策であるグループホーム事業を、健康都市を目指す本市の高齢者福祉サービス体系の中に位置付け一日も早く事業化していただきたいと強く念願するものであります。市長の御所見をお聞かせ願いたいと思います
 
【大都市特例による精神保健行政について】

 最後に、精神保健法の改正により大都市特例として府から本市にその事務が移管されることになりました精神保健行政への本市の対応についてお尋ねいたします。精神障害者などの社会復帰の促進と人権に配慮した精神科医療の実施に向けてより充実した精神保健行政を推進させるため、平成5年6月国会で精神保健法が改正され、平成8年4月には、大都市特例として府から本市にその事務が完全に移管されることになりました。

 そこでまず第1に、精神保健法に設置を義務付けられた精神保健センターの建設についてお尋ねいたします。本市は、本年度センター施設の調査と基本設計を行い、来年度初めには実施設計に入り、平成7年9月に建設に着手し、約20箇月の工期で完成の見通しを立てておられるようであります。そうしますと、センター業務は平成9年春になろうかと思いますが、私は現時点においてもう既に建設予定地については正式に決定しておかなければスケジュールとの整合性は図れないものと考えます。この件については、いまだ明確になっておりませんが、一体センターの建設予定地を事実上どこにされるおつもりなのか、明確にお示し願いたいと思います。

 第2に、本事務事業の実施に伴う本市の組織体制についてお尋ねいたします。精神保健法に規定されている業務は、精神保健センターの設置をはじめ精神障害者の社会復帰施設の設置及びその補助や地方精神保健審査会の設置など実に24項目にも上っております。これには相当数の人材の確保とその適切な配置など衛生局の組織体制を、今後組織改正も含め相当強化していかなければ対応し切れないものと考えますが、どのような体制で臨まれるお積もりでありましょうかお答えください。

 第3に、法外規定業務の対応についてお尋ねいたします。京都府から移管される24項目のほかに、現在法外規定業務として通院患者リハビリテーション事業、精神障害者証明書交付事業、精神障害者小規模共同作業所に対する補助、更に精神科救急システムの整備の4項目があります。この中で特に憂慮する問題は、精神障害者小規模共同作業所に対する補助の問題と救急システムの整備の問題であります。市域の作業所に対する補助金は、現在府と市が補助金を出し合っていますが、大都市特例施行後,府が補助金をカットする心配もあります。この場合、財政難の本市としてどのように対応されるのか。また精神科救急システムの整備については、時間外の診察や入院の際の空きベッドの確保など極めて重要な課題が山積しております。国は当面これら法外業務を法の規定内業務に入れることは考えておらず、すべては本市独自の裁量で判断し決定していかなければならない問題であります。どのように対応されるお積もりなのか併せてお答え願いたいと思います。

 以上、明快なる御答弁を期待いたしまして私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手

 


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