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●平成4年 9月 公明党の大道義知でございます。私は、公明党市会議員団を代表いたしまして、市政一般について質問いたします。何分不慣れではございますが、誠心誠意質問いたしますので、市長をはじめ関係理事者におかれましては、どうか誠意ある明快な御答弁をお願いするものであります。 質問に先立ちまして、一言御礼を申し上げたいと存じます。 先の参議院選挙におきましては、我が公明党は、良識ある皆様方の温かい御支援によって大きく飛躍させていただきました。この場をおかりいたしまして、御支援いただきました皆様に対し心より御礼を申し上げる次第でございます。 生活者の願いを思うとき、我が公明党の使命と責任は重大であると自覚しております。経済大国から生活大国へと転換を迫られている現在にあって、生活者の視点に立った政治の実現は、国民すべてが願うところであります。また湾岸戦争後の世界秩序の在り方が問われている中で、世界の中の日本として、新しい国際視野に立った政治が求められていることも事実であります。 我が公明党は、こうした生活者の課題から、地球的課題に対して真っ向から取り組むとともに、国民一人一人が真の豊かさとゆとりを実感できるよう、今までにも医療、福祉、住宅、教育、環境など各分野できめ細かな取組を続けてまいりました。今後も、生活者に視点を置いた確かな政策判断で日本の進路をリードしていくとともに、生活者の政治実現へ全力で取り組むことをお誓いするものであります。 それでは質問に入りますが、その前に私の質問が時間の都合上、休憩を挟んで午前と午後とにまたがることを、あらかじめ申し述べておきたいと思います。 さて本市を取り巻く社会経済の変化は、高齢化、国際化、情報化など質、量ともに大変厳しい状況にあり、世界的にも21世紀を前に大きな転換期を迎えております。したがって、こうした社会経済の動向を的確にとらえ、山積する様々な課題を克服し、21世紀に向けた新しい京都市政を進めなくてはなりません。 昨日本定例会において、景気対策として過去最大の150億円を超える大型補正予算案が可決されました。バブル経済の崩壊に伴う景気低迷を受けて、この4月に経済対策連絡会議が設置され、それを受けて公共事業の75パーセントを上半期に前倒し執行しようとするものであります。この執行に当たっては、将来の本市経済基盤の強化につながり、中小零細企業や伝統産業をはじめとする地域経済活性化への力強い牽引力となるよう全力で取り組まれることを、まずもって強く要望する次第であります。 さて先日、9月15日には敬老の日を迎えたところであります。そこで私は、まず初めに、ますます深刻化する高齢化社会の中で、高齢者福祉サービスの担い手である福祉マンパワーの確保が重要であると考え、特に在宅福祉を推進する立場から、ホームヘルパーの養成、確保対策、家族介護者への支援策、また地域福祉には欠かせないボランティア活動の推進など5点について質問いたします。 我が国における65歳以上の人口は、先日9月14日の総務庁の発表では1622万人で、総人口に占める割合は13パーセントと、昨年より0.5ポイント増加して過去最高となり、人口高齢化は、諸外国に類を見ない速度で進んでいると報告されております。 15歳未満の年少人口と65歳以上の老年人口の比率を見ると、昭和50年前後から年少人口は減少傾向にあり、逆に老年人口は年々増加する一方であります。戦前、年少人口は、老年人口の7.7倍であったものが昭和45年に3.4倍に、平成2年には1.5倍となり、このままいきますと、平成10年には逆転現象に転じ、本格的な高齢化社会に突入するものと見られております。こうした高齢化がこのまま推移すれば、西暦2000年には16.9パーセントと現在の欧米諸国の水準に達し、日本の総人口がピークを迎える2010年には21.1パーセントとなり、2025年には25.4パーセントと世界最高の水準に達し、4人のうち1人は高齢者という超高齢社会に到達するものと考えられております。 こうした現象は、生活水準の向上や医療技術の進歩などによって、長寿化が更に進んだところから起こるものと言われ、また近年の出生率の低下が我が国の人口構成を急速に高齢化させた原因にもなっていると言われております。本市においても、老年人口の比率は13.4パーセントと全国平均より高く、2000年には17.2パーセント、2025年には28.2パーセントとなり、全国平均を上回る高齢化の進展が予想されます。 また本年5月の子供の日に発表された本市における年少人口は22万1000人で、全人口の15.1パーセント、また先の敬老の日にちなんで発表された老年人口は19万6000人で、全人口の13.4パーセントとなったことから、このまま推移すれば平成10年を待たず、本市においては平成7年ごろには老若人口比の逆転が起こるものと考えられます。平成10年と言いますと、京都市においては自治100周年という記念すべきときであり、また平成7年と言えば、平安建都1200年という歴史的節目を終え、21世紀に向け活力ある新しい京都を創造すべく出発する時でもあります。この時期と符合して、日本が本格的な高齢化社会へ突入するというのも何かしら不思議なものを感じると同時に、高齢化社会の中で京都の担うべき使命の重大さを感ずるのであります。だからこそ本市が国際長寿モデル都市として、我が国はもとより、全世界の高齢社会の模範となる高齢者福祉サービスのシステムを構築しなければならないと思うのであります。 経済大国から生活大国実現の過程においては、福祉施策についても質と多様性が問われてまいります。健康都市京都の真の実現に向けて、田邊市長は英断をもって高齢者福祉対策に取り組まれることを、まずもって強く念願する次第であります。 【寝たきり老人対策について】 そこでまず第1に、寝たきり老人とともに後期高齢人口の要救護老人となる老人性痴呆疾患、いわゆる痴呆性老人対策についてお尋ねいたします。私は、こうした人類進歩の帰結ともいうべき高齢化社会の重要課題は、大きく2つに分けられると思います。その1つは、労働力の不足という経済的な問題と、もう1つは、寝たきり老人や痴呆性老人などの増加による75歳以上の後期高齢人口の要救護老人対策であります。 厚生省は、後期高齢者の健康に関する指標で、年齢が高くなるにつれて入院や寝たきり、あるいは痴呆になる人の割合が急激に高くなると報告しております。一方、高齢者人口を年齢区分に分けての将来予測を見ますと、平成元年から平成32年までの約30年間の人口増加率は、65歳から74歳が1.9倍であるのに対し、75歳から84歳人口が2.3倍、85歳以上人口が4.1倍にも達して、老年人口の内部でも高齢化が進み、平成32年ごろには国民のほぼ8人に1人、65歳以上の高齢者のほぼ半分が75歳以上の後期高齢者という超高齢社会が到来するものと予測されております。 そうなると、寝たきり老人や痴呆性老人の発生率が現状のままで推移するとすれば、今後これらの要介護老人が急増することが予想され、これに対応した保健、福祉サービスなどの基盤整備が重要になってまいります。しかしながら実態の把握において、痴呆性老人は専門医師の診断を必要とするため、患者数の把握が非常に困難とされておりますが、平成2年7月に実施されました京都市高齢社会対策実態調査を見ますと、本市における痴呆性老人の数は、推計値で7398人と寝たきり老人の数の約1.5倍にも上り、また発生率は,寝たきり老人が2.7パーセントであるのに対し、痴呆性老人は4パーセントと高い数値を示しております。 いわゆる老人性痴呆疾患には、脳血管性痴呆、アルツハイマー型老年痴呆など幾つかありますが、大きくはこの2つになると考えられます。現在、その治療方法として有効なものがなく、今後の医療技術の開発が期待されるところであります。しかし痴呆性老人を介護する家族の肉体的、精神的負担は、今後ますます大きくなるばかりであります。 本市においては、京都市老人福祉中・長期計画に基づき、短期保護事業や痴呆性老人総合相談事業など一定の行政施策を講じられておりますが、在宅福祉については不足の感が否めません。今後、本市の老人福祉中・長期計画の見直しの中で、痴呆性老人対策をどのようにされていかれるお積もりなのか、介護支援強化に基づく具体的施策についての考えを市長からお示しいただきたいと思います。
第2に、ホームヘルパーの養成、確保対策についてお尋ねいたします。厚生省は、高齢化社会に対応するため、平成元年12月に高齢者保健医療福祉推進10か年戦略、いわゆるゴールドプランを打ち出しました。その中で、市町村における在宅福祉サービスの緊急整備目標として、ホームヘルパーの3倍増とショートステイ、デイサービス、在宅介護支援センターの飛躍的な整備、また寝たきり老人ゼロ作戦や特別養護老人ホームの緊急整備などが計画され、高齢化に向けた在宅福祉の環境整備を指導しております。 しかしこれが本当に実現できるのでありましょうか。絵に描いた餅にならないかと一抹の危惧を抱くのであります。法整備の方は、現行の福祉関係法の仕組みが非常に古い枠組みでありましたが、平成2年6月の福祉関係8法の改正によって一応解決のめどを見ました。また財源についても、ゴールドプランが大蔵省、自治省、厚生省の3省で策定された経過から、今後いろいろと課題はあっても基本的には財源の裏付けとして、10年間で約6兆円の確保はされていると伺っております。ところが人の確保ということになりますと、若年労働力の不足が懸念される中で、福祉従事者の待遇の改善や優秀な人材確保の必要性など様々な課題があり、増大する福祉需要に対応でき得ないのではないかと危惧するのであります。 労働省の21世紀に向けての人材育成の在り方という報告書の中にも、ゴールドプラン実施のために、よほど養成力の強化や離職者や主婦への職業能力開発機会の確保、充実を図らないと福祉マンパワーは確保できないと示されております。京都府においては、来月から一般女性を対象にホームヘルパー養成講座を開講され、人員不足解消策として取り組まれると伺っております。本市においては、本年3月現在ホームヘルパー数は1059人で、高齢者1000人に対してわずか4人の割合であります。また登録ヘルパーは、本年7月現在833人でありますが、実際の稼働状態を考えますと、まだまだ不十分なものと言わざるを得ません。今こそゴールドプランを絵に描いた餅にしないためにも、福祉マンパワーの担い手であるホームヘルパーを養成、確保していくことがまずもって必要であると思うのであります。特に本市においては、今後も寝たきり老人や痴呆性老人を抱える家族の増加が予想されるため、介護需要を支えるホームヘルパーの確保は最重要課題であると考えます。 そこで、これらの状況を踏まえ、本市としては今後どのような視点で方向付けをされようとしているのか、薦田助役にお伺いいたします。 また市民への働き掛けをはじめ、潜在的ヘルパーの発掘や高齢者ヘルパーの育成などホームヘルパーの養成、確保対策の強化をどのように図られるおつもりなのか、具体的計画について併せてお答えください。
第3に、今後、福祉マンパワーの質的向上の中心的存在ともなる介護福祉士など福祉従事者の養成支援についてお尋ねいたします。在宅福祉に関する法律については、国は、昭和38年に老人福祉法を制定して以来、社会福祉士及び介護福祉士法の制定に至るまで24年もの間未整備の状態でありました。この間、在宅福祉は全くと言ってよいほど日の目を見なかったのであり、法的に見ると社会福祉事業ではなかったのであります。 昭和62年5月に施行された社会福祉士及び介護福祉士法によって、平成3年度現在、京都府全域で社会福祉士が58名、介護福祉士が321名試験に合格されており、労働力不足が叫ばれている昨今、福祉マンパワー対策にとっては非常に大きな武器にもなり始めております。制度が発足したばかりで、資格者の数はまだまだ足りませんが、将来的には簡単な家事援助などをするホームヘルパーでは補えない重介護を要する場合などは、介護福祉士の存在が欠かせなくなることは明白であります。また今後、重介護や実習指導などは間違いなく有資格者がやる時代が必ず来るものと考えます。 現在、社会福祉協議会が中心となって京都中心部で1箇所、京都府北部で1箇所、合計2箇所で介護福祉士などの養成講座を開催され、その育成に尽力されているところでありますが、3年以上の実務経験が必要とされる介護福祉士の国家試験に仮に合格したとしても、現在のところ、この資格が名称独占的であるにもかかわらず、待遇改善や身分保証がなされていないなど大きな課題があることも事実であります。しかし私は、何よりもまず福祉従事者養成の環境づくりが大切ではないかと考えるのであります。したがって、今後の福祉マンパワーの養成、確保という意味から、介護福祉士など福祉従事者の養成支援策として、例えば福祉奨学金制度の創設など、きめ細かな施策を講じるべきであると考えますが、民生局長のお考えをお伺いしたいと思います。
第4に、家族介護の支援策についてお伺いいたします。高齢化社会にあって家族の持つ意味は、心の豊かさを享受できる場であると同時に、人間と人間がお互いに助け合うという人間本来の触合いの場でもあります。その中で、従来家族介護の一員として挙げられてきたのは女性でありました。介護をサイクルとして見ますと、女性は結婚後、まず子供の養育から始まり、両親を介護し、そして自分の夫を介護するという人生におけるケアの担い手としてのサイクルを持っていました。このように、今まで高齢者を中心とする老人介護は主として家庭内介護であり、しかも家族という名の下に女性が面倒を見てきたというケースがほとんどだったのであります。 しかし今後、要救護老人の増加に反し、中高年の女性を中心とする介護人口の相対的減少、介護者自身の高齢化、3世代世帯の割合の減少、老夫婦のみや独り暮らし老人の割合の増加による家族形態の変化、更に女性の社会進出の進展、家族形態の変化による介護経験者の減少と介護知識不足など、要救護老人を取り巻く環境には様々な変化が予想され、家庭内の介護はますます困難な状況になってくることと思います。最近では、女性だけではなく男性までもが介護疲れのために、精神的、肉体的に参ってしまい、仕事を辞めてしまった事例も少なくありません。 労働省の調査では、介護のために退職したり、勤務先や勤務条件を変更した人は4割を超えていると報告しております。また総理府が発表しました女性の就業に関する世論調査でも、就業を妨げる理由に、48.7パーセントもの人が老いた親や病人の世話を挙げております。安心して看病し、安心して働き続けることのできるためには、私ども公明党が提唱する介護看護休暇制度の法制化が待たれるところでありますが、それとともに、今後急速に進展する高齢化に対応するために、家族介護の環境整備を更に拡充する必要を感じるのであります。 その意味から、在宅で寝たきり老人を介護する家族への支援策として、本市においても、在宅寝たきり老人介護者激励金支給制度がスタートしたところであります。在宅寝たきり老人だけでなく、在宅痴呆性老人にまで拡大されたこの制度は、平成3年度現在、3476件もの家族世帯が申請され、年額6万円を支給され、負担軽減の一部として喜ばれているところであります。しかしながら、この額は、政令指定都市の中では最も低い額であり、年額12万円以上を支給されている都市がほとんどなのであります。現実に、オムツ代だけでも1月3万円余りの費用が掛かるなど、今後も介護家族の経済的負担は波及的に増大する一方であります。 そこで私は、介護者激励金の支給額を増額して制度の拡充を図り、介護負担の軽減に努めるべきであると考えますが、民生局長のお考えをお示しいただきたいと思います。 更に家族ヘルパー制度や時間貯蓄制度などを参考にされ、本市独自の在宅介護支援制度を創設し、家族介護の支援を強化するとともに、在宅サービスを充実すべきであると考えますが、併せてお答えください。
第5に、高齢化社会への移行に伴い、血の通った温かなきめ細かい地域福祉対策が求められておりますが、行政の十分な対応とともに、地域における福祉ボランティアの存在が不可欠となっております。そこで私は、地域福祉を推進する立場から、本市におけるボランティア活動の推進についてお尋ねいたします。 現在、我が国のボランティア活動は、誰もが、どこでも活動に参加することのできる環境が十分に整っているとは言い難い現状であります。国民の意識は近年大きく変化し、ゆとりある生活や社会参加、自己実現を求める意識が国民各層に広がってはいるものの、ボランティア活動に参加している人は特定の主婦や高齢者が目立ってきております。また福祉は、公的制度によって行われるべきものであり、住民が殊更積極的に関与しなくてもよいという考え方や、ボランティア活動は福祉の安上がりに手をかすものという一面的な受け止め方もいまだに解消されていない状況にあります。 実態調査によれば、数多くのボランティア活動のうち、明らかに保健、福祉サービスの提供を内容とするものとしては、介護などのボランティア、手話、点訳などのボランティア及び医療、保健、衛生のボランティアとされております。特に介護ボランティアの活動を支援することは、福祉マンパワー養成、確保の意味からも大変重要であると考えます。 高齢化の進む現在においては、我々の誰もが家庭で親や配偶者の介護を行う可能性を有しており、ボランティア活動に参加することによって、福祉サービス提供のノウハウを体得することができ、家族で介護を行う場合に役に立つことは言うまでもありません。本市においては、ボランティアルームを設置され、福祉の風土づくり推進協議会が中心となって、平成3年度で159団体、8749名もの人が登録されておりますが、介護ボランティアの活動など実際に活動されているボランティアの数はつかめていないのが実態のようであります。更にコーディネーターを中心としたボランティア活動のネットワークについても、いまだ図られていないのが実態ではないかと考えられております。 そこで私は、行政としてもボランティアを支援する意味から、早急に組織の整備拡充を図り、自発的な意思に基づき他人や社会に貢献するというボランティアの精神を十分に考慮したボランティア活動推進計画を検討すべきであると考えます。民生局長のお考えをお聞きしたいと思います。また今後、本市がボランティアの活力をどのように誘導し、また支援され、市民啓発をどのように進めていかれるおつもりなのか、併せてお答え願いたいと思います。 次に私は、京都市が21世紀に向けて伝統と創造の調和したまちづくりを推進していくためには、確固たる環境倫理の確立が不可欠であると考えるものであります。そこで私は、環境倫理を3つの視点から考え、本市における環境保全行政の推進体制の確立と環境アセスメント制度の条例化について質問いたします。 京都市は、今建都1200年という歴史的節目を前に、開発と環境という2つの大きなテーマに直面しております。ここで述べた環境とは、言うまでもなく環境保全であります。 経済大国と言われる我が国は、経済開発が無原則に優先され、環境政策が常に事後的になってまいりました。もともと公共的な開発計画は、環境保全を含む総合的な目的を持っているものであります。しかし現実には経済成長が最優先され、国益が前提とされたことから、環境保全と矛盾し対立する形になっているのが実態であります。 国連人間環境会議で指摘されたように、今まで開発と環境とは、ある意味で独自の道を歩んできたのであります。しかしその後、開発と環境についての新しい原則を作ることが求められるようになり、1987年、環境と開発に関する世界委員会から発表された我ら共有の未来という報告書の中に、初めて持続する発展という原則が示されたのであります。また本年ブラジルで開催された環境サミットでは、持続可能な開発として、今後の開発と環境のあるべき姿が示されたのであります。 このように開発と環境との関係は大きく変わり始めております。持続という時間的要素があることによって、ある意味では開発は環境保全の枠組みの中で是認されていることになりますが、今後の課題は、むしろ具体的にどのような体制、あるいは組織によって進めるかということなのであります。このことから考えれば、環境の中での行為、特に開発に際しては、環境に従って生態系の維持や保障と開発とを調和させるように、適切に調整することが必要になってくるのであります。とりわけ京都市においては、このことが非常に重要な意味を持つと考えます。 市民の目から見れば、京都のたどってきた環境保全行政の道程は、一概にも完全なものではなかったと言えるのであります。本年だけでも、ポンポン山ゴルフ場開発問題、比叡平山麓西側一帯の違法開発問題、小倉山におけるJR西日本残土放置問題、またそのほか今までにも一条山の濫開発問題、大文字山のゴルフ場問題など、京都を取り巻く環境と開発との問題は、行政として一定の対応はされてきたものの、結果的には事後的な対応になっていると思えて仕方がないのであります。京都市民が、このようになる前に何とかできなかったのかと思うのも当然であります。 したがって私は、伝統と創造の調和したまちづくりのためには、今こそ確固たる環境倫理を確立すべきものと考えます。そしてその実現のためには、私は、大きく3つの指針が必要ではないかと考えます。 すなわち1つには、開発に当たっての環境アセスメントの実施、2つには、自然保護と秩序ある開発を目指した土地利用計画の作成と実施、3つ目には、伝統的な住民の生活環境と慣習の尊重であります。この3つをどう組み合わせ、どう融合させていくかが今後の重要な課題と考えます。そこでこの指針に基づき、環境保全行政を推進されていくためには、何よりもまずその推進体制の確立が急務となってまいります。すなわち、すべての事業や政策が環境の視点に基づいて展開されるよう、その推進状況を常にチェックするための体制を整備することが必要なのであります。 この場合、従来の縦割り行政の弊害を除くことが不可欠であり、例えば環境問題全般を担当する専任助役を設置されたり、市長を長とする全庁的な推進委員会を設置することが求められます。本市におきましても、違法開発などを規制する対策会議を設置され取り組まれておりますが、むしろ私は、独立した機関として自治体の環境にかかわる政策の推進状況を監視し提言する権限を持つ環境委員会の新設などを検討されてはどうかと思います。 そして今までの環境保全対策の強化策として、自治体活動における環境関連の規定の遵守状況について、少なくとも年1回以上、独立機関による環境監査なるものを行い、その結果を公表するなどの行動指針を検討されてはどうかと考えますが、市長の御見解をお聞かせ願いたいと思います。 また環境影響評価、すなわち環境アセスメントは、言うまでもなく環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業の実施に際し、その環境への影響を事前に十分に調査、予測及び評価するとともに、その結果を公表して地域住民等の意見を聴き、十分な環境保全対策を講じようとするものであり、環境汚染を未然に防止するための有力な手段の一つであります。 我が国においては、昭和47年6月に各種公共事業に係る環境保全対策についてが閣議了解されて以来、公有水面埋立法等の個別法、各省庁の行政指導、地方公共団体の条例、要綱等により環境影響評価が実施されてきた経過があります。更に昭和59年8月には、環境影響評価の実施についての閣議決定を行い、国の関与する大規模な事業にかかわる統一ルールとして、環境影響評価実施要綱が定められたのであります。しかし閣議決定に基づく今日のアセスメント制度は、環境保全の目的にとって極めて不十分であることも指摘されており、開発の免罪符とも言われ、環境破壊、公害の未然防止に必ずしも効果を発揮しているとは言えないのであります。 しかし地球的視野に立って持続的地球社会を形成する必要性から、現在、環境庁も中央公害対策審議会、自然環境保全審議会の2つの審議会で環境アセスメントの法制化に向けて検討中であり、明年の春にもその答申を受けて、現行の公害対策基本法の見直しに着手する方向であると伺っております。そして先月20日には、環境基本法の制定に向けて両審議会の答申骨子の原案が明らかになりました。その中で環境アセスメントは、環境保全型社会の構築にとって欠かせない考え方、手段であると述べられており、法制化への流れは、いよいよ本格化しており、機は熟しているものと考えます。 本市においては、昭和61年4月、京都市環境管理計画を策定し、市民の健康を守り、快適で住みよい環境を作り、市民、事業者、行政の相互協力によって総合的な環境行政を目指すという基本的視点に立って、環境汚染防止や快適環境の保全と創造に努められてきたところであります。しかしながら、環境アセスメント制度については、京都市における環境影響評価に関する基本的な考え方という京都市公害対策審議会の答申を経て、昭和57年には既に制度大綱をまとめておられるわけですから、今こそ環境影響評価条例の制度化に向けて、その第一歩を踏み出す時ではないかと考えます。 国が今なお十分なアセスメント制度を立法化できない状況の中で、幾つかの自治体は条例によってアセスメントを実施してまいりました。現在、都道府県及び政令指定都市のうち、環境影響評価に関する条例を制定している団体は、北海道、東京都、神奈川県、川崎市の4団体で、要綱等を制定している団体は、京都府を含め31団体となっております。国との整合性や京都府の動向を見てから動くという従前からの対応では、私は、こと地域性を有する環境問題にあっては適当でないと思うのであります。 そもそも戦後の公害対策は、自治体が先駆的に規制措置を講じ、その後、国が法制化に乗り出したということを決して忘れてはならないと思います。京都市の文化及び歴史的遺産を継承していく意味からも、京都市の特性を生かした環境アセスメント制度の条例化は緊急課題であり、21世紀に向けたまちづくりを推進するための羅針盤になることは明確であります。 殊に環境アセスメント制度の内容については、環境影響調査自体は事業者が行うにしても、評価の主体は別の公平な第三者機関とし、計画の終りから繰り返し行われる手続法的なものでなくてはなりません。しかも、アセスメント制度の必須条件である代替案の検討を有し、京都らしさを加味した科学的で公正で民主的な制度になるようにすべきであると考えますが、環境アセスメント制度実現への市長の御決意をお聞かせ願いたいと思います。
最後に交通局九条営業所用地の有効利用計画について質問いたします。本計画は、平成2年6月に設置されました交通局用地高度化利用計画等調査研究委員会から、赤字に悩む京都市交通局の経営基盤の強化を図る再建策の一つとして、平成3年3月に提言なされたものであります。平成元年12月に行われた地方公営企業法施行令の改正で、行政財産の貸付範囲の見直し等が行われ、公営交通事業の新しい方策として注目されているところであります。 九条営業所をはじめ、壬生や竹田など主要施設11箇所において、バス車庫として平面的にしか使用されていない保有地を高度利用していく計画は、まちづくりへの寄与や地元地域の活性化など、市民にとりましては誠に重要な意味を持つものと考えます。とりわけ九条営業所については、いよいよこの秋から本年度末までに事業コンペを実施すると聞き及んでいる次第でありますが、バブル経済の崩壊で採算性を特に重視する企業が、このような時期にコンペに参画するのが適当かどうか、実施時期の妥当性について懸念を抱いている一人であります。 そもそも事業コンペという手法は、自治体が民間に開発計画等の企画、建設から、その後の運営までを任せることを前提とした競技提案であり、ユニークな企画、資金調達力、迅速性、効率性、優れた経営感覚が期待できるものであります。 逆に設計コンペなどの手法は、アイデアの提出を目的としますが、事業コンペは収支までも含めた実現性の高さを競うものでもあり、あくまで中身が問われるものでなくてはなりません。したがって、その前提となる行政側の開発方針と地元ニーズの反映が最重要なのであります。 行政側としては、民間企業の利潤追求と公共還元を十分にコントロールしたうえで企画提案を競わせるのでなければ、いわば行政の責任逃れにもなりかねません。ましてや九条営業所の用地活用に関する事業コンペは、今後事業化に向けて計画が練られる優先保有地である壬生や竹田車両基地などの高度利用計画の先例ともなることから、十分な検討がなされていなければならないと考えます。しかし赤字体質がなかなか改善されない交通局による独自の事業化では、採算性や収支バランスを重視する余り、地元ニーズを反映させるという公共還元は望めないのではないかと危惧するのであります。 そこで私は、平成6年度完成予定の京都府の施設との整合性を考慮し、むしろ市長がリーダーシップを発揮され、京都市全体の緊急課題として交通局に何らかの公共還元の支援策を講じるべきではないかと考えるのでありますが、田邊市長いかがでありましょうか。 先般、市長に対して、地元南区民の総意として3万7000余名もの署名を集められて要望書として提出されたところであります。その中で、地域における総合的な文化、スポーツなどの公共施設を一元化したものを当該九条営業所の敷地に建設されるよう要望されておりますが、市長は、こうした地元ニーズをどのように受け止め、また交通局だけの問題でなく、本市全体の問題として、どのように計画の中で反映させようとしておられるのか、是非とも市長の御見解をお聞かせ願いたいと思います。 以上、休憩後の御答弁を大いに期待いたしまして、私の第一質問を終わります。(拍手) ただ今市長並びに理事者の皆様から御答弁を賜りました。希望あふれる答弁もございましたけれども、予算を伴うものもあり、明快な御答弁がいただけず残念なものもございました。 時間もございませんので、第一質問に対しての要望とともに、新たに2点についてお尋ねしておきたいと思います。 まず九条営業所用地の活用につきましては、交通局の所管でありながらも市長じきじきに御答弁いただき大変うれしく思いました。しかし仮営業所の問題や地元住民の理解を得ることなど、今後いろいろと課題の大きいものでございます。詳しくは事業決算特別委員会において、同僚議員とともに問いただし、論議してまいることを申し述べておきます。 また環境保全行政推進体制の確立及び環境アセスメント制度条例化につきましては、京都のまちづくりのため総合的な取組が必要であるとの考えから、その基本的な考え方を申し述べてきたつもりでございます。 特に環境監査という言葉自体は、これから定義され、また内容が作られていくものではございますが、21世紀までには体系化されてくるものと思います。その意味からも、監査機関としての環境委員会の設置は、本市の環境保全行政推進のために、先駆的に是非とも検討していただきたいことを強く要望しておきます。 また高齢者福祉対策につきましては、女性を中心とした家族介護の実態を踏まえ、家族支援策について申し述べましたが、介護需要を考えると、今後は男性が介護にどう参加するかが大きな課題になってくるように思います。つまり老人介護は、男女両方の責任という、男性の意識変革が求められていると言えるのではないかと思います。
実際に本市における登録ヘルパーの数を見ても、833人中、男性はわずか18人で、そのうち半分が60歳以上の高齢者という実態であります。その意味から、私は、市民啓発を含め男性の介護参加の意識を高めることが必要であると考えます。そこで女性中心になりがちなマンパワー養成、確保対策を進める中で、男性の介護参加についての民生局長のお考えをお伺いしておきたいと思います。 最後に市長にお尋ねいたします。人口高齢化の中で、高齢者福祉対策と子育て支援策とは、車の両輪のごとく表裏一体の重要課題であります。そこで私は、高齢者福祉の問題とともに、特に話題になっております少子化現象に歯止めを掛ける子育て支援策の一つとして、京都市民の強い要望である乳幼児の医療費無料制度の実現についても、お尋ねしておきたいと思います。 この制度は、京都市会において我が公明党が初めて提唱して以来、昨年11月定例会から、毎定例会本会議で同僚議員が再三にわたり、市長にその制度実現を求めてまいったものでございます。それだけこの制度が、本市においての緊急課題であると考えるものであります。 1人の女性が生涯に出産する子供の数を示す合計特殊出生率が2.1人を割ると、その社会の人口は減少していくと言われております。我が国では、この2.1人を大きく割り込んで、平成3年には何と1.53人、京都市では1.38人となり、都道府県単位で見ても、東京都の1.18人に次ぐ全国有数の低さを示しているのであります。 こうした急速に進行する少子化社会は、生産人口の減少を引き起こし、社会全体の活力の低下や、幼少期の家庭環境が人格形成に及ぼす教育的な影響が危惧されるなど誠に深刻な問題であり、今こそ出生率回復のため様々な有効な施策を講じる必要があるものと考えます。 国レベルでも昨年、健やかに子供を産み育てる環境づくりについてという報告書がまとめられており、厚生省は、来年度から産後の肥立ちの悪い母親などに妊産婦ヘルパーを派遣する産後ケア事業を実施すると伺っております。そのほか、今までにも育児休業法の制定や児童手当の第1子からの支給、また分娩費用の増額など産み育てる環境づくりは、徐々にでありますが、整備、拡充されつつあります。 全国レベルから申しますと、昭和40年代後半から広がった乳幼児の医療費の無料制度は今では常識となっております。対象年齢や所得制限の有無など、その内容に差異はあるものの、全国42の道県でこの制度が実施されており、未実施は、東京、大阪、青森、沖縄、京都の5都府県で、政令指定都市では12の都市のうち、大阪市、京都市のみが未実施の自治体として残されているにすぎないことを知り、しかも大阪市においては来年度から、いよいよ無料化を実施すると聞くに及んで一層その感を強くしたのであります。 本年3月に発表されました総理府の女性の暮らしと仕事に関する世論調査結果によりますと、出生率が低下する一方で、欲しい子供の数を3人、4人、5人と答えた人は、それぞれ46.7パーセント、7.2パーセント、5.8パーセントで合わせて約60パーセントにも上っております。また欲しいとする子供の数以上を望まない理由として、10人中7人までが経済的負担を挙げており、更に心身の負担、住居が狭いなどを挙げる人は20パーセントを超え、合わせて9割もの女性が子育ての環境に不安感を抱いており、このことは、産み育てにくい社会的な要因を示していると言えると思います。逆に、産み育てやすい環境さえ整えば、出生率の向上が図れることを明確に示しているとも言えるのではないかと思います。 更に厚生省の平成元年度診療状況実態調査によれば、4歳以下の子供は、5人に4人の割合で特に風邪を引きやすいと言われ、診療回数も年平均4.8回にも上ると報告されております。実際に病気の子供を抱えると、病院への支払のほかに、交通費などを含む出費がかさむわけですから、子育てを抱えた若い世帯の経済的負担や心身に対する負担は大変大きなものがあります。更に妊婦の検診についても、健康保険が適用されず、毎月1万円を超える負担をしなければならないという事例もあります。 このような状況から、若い夫婦が安心して子供を産み育てられる環境づくりの整備や子育て支援施策の拡充を図ることが、高齢化社会対策とともに現下の最重要課題であると思うのであります。その意味で乳幼児医療費の無料制度の実現は、子育て支援の社会的条件の一つとして大きな役割を果たすものと考えます。府においても、いよいよ明年度の制度化に向けて、現在本格的な検討がなされていると伺っておりますが、こうした状況を踏まえ、本市においても府と足並みをそろえて、来年度をめどに実現されるおつもりはないのか、そのお考えを明確にお示しください。 この春に我が公明党京都府本部の女性局が推進した署名活動においても、数多くのヤングミセスから賛同の意を寄せていただくことができました。そしてこの署名簿は、本年6月に市会議長あてに提出させていただいたところであります。市長におかれましては、これら市民の声、要望を真摯に受け止めていただき、健康都市京都にふさわしい内容を持つ乳幼児医療費助成制度を創設され、満3歳児までの医療費無料化を一日も早く実現されることを切に念願し、市長の御決意をお聞かせ願いたいと思います。 ともあれ、今後とも健康都市京都の実現に向けて、京都の特性を生かされ、先駆的で確かな市政を市民とともに推進されるよう強く迫りまして、私の第二質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) |
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